出版に関するテクノロジーは、かつては組版・印刷・製本であり、最近では電子書籍と書籍端末、あるいは「オンラインプラットフォーム」であると言われている。しかし、今日E-Bookビジネスに意味を持たせているのは、そうしたものではない。「iPadの前にKindleなど鎧袖一触」とならなかったのはなぜか。アップルの形を真似ても蚤のひと跳ねも出来ないのはなぜか。それは目に見える部分だけでは分からない。見えざる手を動かすことでビジネスが動くのが21世紀なのだ。 21世紀情報技術のパラダイム いうまでもないが、筆者はテクノロジーが大好きだ。ただ、テクノロジーには五感で認識できるものとそうでないものがある。後者について意識する人は少ない。日本が得意なのはモノづくりということになっているが、これは工業製品の設計・生産での職人的・工芸的センスを意味していると思われる。この神話が“空白の10年”の後、そのままで通