日本フォークのルーツをたどり、惹(ひ)かれたのは外国曲ではなく明治大正時代に流行した「演歌」。コブシを回さない本来の「演歌」は、自由民権運動から生まれた社会風刺の「演説歌」のこと。小唄や民謡、昭和歌謡をうたう人はたくさんいるのに、なぜか「演歌」をうたい、伝えようとする若者は一人もいません。 高田渡さんの「あきらめ節」が気になり、東京・吉祥寺の焼き鳥店「いせや」で直接尋ねると、添田唖〓坊(そえだあぜんぼう)の「演歌」だよ、と教えてくださいました。「演歌」はもの言えぬ庶民の叫び。明治の歌でも現代を風刺しているかのように聞こえますが、今後に残すには新たな風刺が必要です。歌いだした当初、政治にほとんど興味がありませんでした。それでも全国を廻(まわ)ると弱者に冷たい政権への怒りを口にするお客さんが多く、使命感で歌にのせるようになりました。
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