『ゴールデンカムイ』に呼ばれて 本や映画に描かれた土地に行きたくなる。実際に行ってみる。そんな経験をしているひとは少なくないと思う。 とくにアニメやマンガの舞台を訪ねることは、「聖地巡礼」とも呼ばれる。たとえば埼玉県の秩父は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『心が叫びたがってるんだ。』の聖地としてにぎわっているらしい。 わたしも、この夏休みを聖地巡礼に投じてしまった。目的地は、サハリン。『ゴールデンカムイ』(通称、金カム)の聖地だ。 『週刊ヤングジャンプ』に連載されている野田サトル『ゴールデンカムイ』(集英社)は、日露戦争の帰還兵とアイヌの少女を主人公に、いわくつきの人物たちが隠された金塊のありかを求めてしのぎをけずる、アクションあり、笑いあり、旅あり、グルメあり、肉体美ありの超人気マンガで、コミックの帯にはシリーズ累計1000万部突破と謳われている。昨年(2018年)、マン