いまの日本に求められているのは、問題を「解決」するというよりも、「解消」するという発想ではないか。 政府の打ち出す施策というのはすべて、何かを「する」という足し算的な発想に貫かれている。自分の仕事を増やし、予算と権限を増やしたいからだ。だから、規制がどんどん増えて、税金もどんどん高くなる。 景気対策など、その典型だろう。規制を増やし、税金を高くして、民間をさんざん痛めつけておいて、景気が悪くなったら、その税金を使ってバラマキするのだ(そのバラマキの配分も恣意的で、あまり有効でない)。 むしろ、何かを「しない」、何かを「やめる」という引き算的な発想が求められているのだ。政府の仕事を減らして、規制も減らし、税金も減らす。 「政府が税金を集めて、政府がやる」というのが多すぎる。国民の多様なニーズを政府はすべて把握し、計画し、遂行できると思っているのだろうか。政府が頑張れば頑張るほど、余計な介入を