大国が隣国を武力で脅し、言うことを聞かなければ軍を進めて意のままにする――。ロシアのウクライナ侵攻の意図を一言で言えばそんなところだろうか。この手法は、戦前・戦中の傀儡(かいらい)国家「満州国」(現在の中国東北部)建国をはじめとする、旧日本軍の中国でのやり方に似ているとの見方がある。否定されたはずの大昔の帝国主義的手法が21世紀の今になって復活してしまったともいえそうだが、歴史の教訓から得られるものはないだろうか。愛知大学非常勤講師で、日中戦争や同時期の対日協力政権(傀儡政権)史に詳しい広中一成さん(43)に聞いた。【聞き手・増田博樹/デジタル報道センター】 ――今回のロシアのウクライナ侵攻をどう感じていますか。 ◆中国近現代史を研究する身としては、どうしても過去の日本の中国への侵攻を重ね合わせて見てしまいます。もちろん今回はSNSやサイバー攻撃もあるうえに、一方の当事者が核保有国でもあり
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