銃の弾丸は昔は球形のものしかなかったのだが、1849年にフランスで椎の実の形状の弾丸(ミニエー弾)が開発され、その後欧米各国でミニエー弾を用いる銃の生産が開始されるようになり、次いで弾丸の飛距離が伸びるように銃身にらせん状の溝(ライフリング)が施されるようになった。ライフリングがあることにより発射された銃弾に回転が加わり、旧式の銃よりも飛距離と命中精度が飛躍的に向上したのである。 旧式の銃の射程距離は百~三百メートル程度であったのだが、新式の銃の有効射程は、三倍から六倍に伸び、命中精度も殺傷力も高く、薩摩藩がわが国で最初に入手し、次いで長州藩が手に入れたのである。 アメリカの南北戦争(1861~1865)では62万人もの戦死者が出たそうだが、多数の戦死者が出た原因は破壊力の強い最新鋭の銃が大量に用いられたことによる。終戦後アメリカで用済みとなった大量の武器が、「死の商人」たちによって次の紛