北朝鮮で一昨年に行われた貨幣改革以降、「コッチェビ」と呼ばれるホームレスの児童が急増するなど経済混乱が深刻化している。23日、アジアプレスの北朝鮮内部の取材協力者が今年1~4月に平壌などで隠し撮りした映像で明らかになった。 現在、体制を支える「核心層」の軍にさえ食糧が十分に行き渡っていないという。映像の中で、平安北道の男性兵士(26)は「(食糧が枯渇する)春には100人いる部隊の50%が栄養失調になる」と証言した。 また、北朝鮮の石炭業は国営では立ちゆかなくなり、「自土(チャト)」という個人経営の炭鉱が増えつつあり、当局の統制が効かなくなっている実態も明らかになった。 アジアプレスの石丸次郎氏は「貨幣改革後、体制に対して露骨に不平、不満を漏らすケースが増えている。金正日総書記のファミリー支配に対する反発も強まっている」と指摘した。