生活習慣と疾患との関連は古くはヒポクラテスが指摘したことです。ヒポクラテスはすべての疾患の原因は体液の不均衡にあると推定し、この是正には生活習慣や環境を変えることが重要と考えました。具体的には、入浴や汗をかくこと、散歩やマッサージを推奨しました。精神疾患がすべて体液の不均衡によるとは考えにくいのですが、今日「癒し」をキーワードに温泉やアロマセラピー、マッサージ、サプリメントの摂取など、いろいろなものが商業ベースに乗ってきていることは確かです。もっともらしい(素人が納得しやすい)コマーシャルで、エビデンス(科学的証拠)の乏しい手段が喧伝されるのを見聞きするにつけ、落ち着かない気持ちになるのは私だけでしょうか?科学的な検討の後に、エビデンスのはっきりしたものが生き残り、そうでないものが捨て去られるべきと考えるのは私だけではないでしょう。 ところで、精神疾患の成因として遺伝と環境の関与は広く認
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