もう1名はうちの病院に来るまで、いろいろな摂食障害を専門的に治療する精神病院やクリニックに行き、すべて失敗していた。県外に住居を移してまでクリニックに通ったり、入院までしてもうまくはいかなかった。 彼女がうちの病院に来た時、うつ状態であったが、最初に僕は「今までしてきたような心理療法はいっさいしないから」と伝えた。あきれたことに、このようなタイプの人にこんな風に言う精神科医が本当にいるのである。僕より専門治療のうまい人が、もうあれこれやっているはずだし、また、自分が言うのも変だけど、本質的に摂食障害の心性について自分があまりわかっていないと自覚しているのももちろんある。 彼女の血液検査やホルモン検査をして、その所見をぼんやり見ていると、TSHや甲状腺ホルモンの結果に不調和をすごく感じた。もし、彼女に摂食障害がないと仮定したら、診断的には「器質性の強迫性障害」と言えると思った。実際、彼女が明
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