統合失調症患者 10代後半過ぎても脳発達の異常が進行 〔米メリーランド州ベセズダ〕 メルボルン大学(オーストラリア・メルボルン)のChristos Pantelis博士らは,カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA,ロサンゼルス)の研究者らと共同研究を行い,「統合失調症は,思春期から若年期にかけて正常な成熟過程の一環として脳でいくつかの細胞間接続が除去される際,正常な発達から外れてしまうことが関与しているかもしれない」とMolecular Psychiatry(2008; オンライン版)に発表した。 発症と同時期に組織損失 Pantelis博士らは,思春期と若年期の統合失調症初発例を同年代の健康人と比較し,この組織損失は両群とも同時に脳内の同じ領域で始まるが,統合失調症患者で喪失率が高く,広い領域に及ぶことを見出した。 今回の知見は,統合失調症に至る脳の発達異常は出生前ないし