覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反に問われた韓国籍の無職女性(39)の判決が31日、大阪地裁であった。長井秀典裁判長は「『知人に無理やり打たれた』との女性の説明は信用できる」として、女性に無罪(求刑・懲役3年6月)を言い渡した。 女性は昨年10月に大阪府内で覚醒剤を使ったとして、同12月に在宅起訴された。女性は、知人の男(65)(覚醒剤取締法違反で有罪確定)に「断ったのに無理に注射された」として、一貫して無罪を主張していた。 判決で、長井裁判長は〈1〉女性は自ら警察署に出向いて覚醒剤を打たれたことを申告した〈2〉女性は当時妊娠しており、胎児に悪影響を与える可能性があった――などの事情を指摘、女性の証言の信用性を認めた。 判決後、女性の弁護人の井上佑紀弁護士は「強引な捜査で起訴したのは問題。言い分にきちんと耳を傾けていれば、こうした冤罪(えんざい)は防げたはずだ」と話した。