直感の正体とは何か。 たとえばひとつの局面で、「この手しかない」とひらめくときがある。100%の確信をもって最善手が分かる。論理的な思考が直感へと昇華された瞬間だ。 以前、カーネギーメロン大学の金出(かなで)武雄先生と対談をさせていただいたときに、次のように指摘してもらったことがあった。 論理的思考の蓄積が、思考スピードを速め、直感を導いてくれる。 計算機の言葉でいえば、毎回決まったファンクションが実行されているうちにハードウェア化するようなものだ。 それまでは毎回発火していた脳のニューロンが、その発火の仕方がいつも同じなので、そこに結合が生まれ、一種の学習が行われたということではないか。 つまり、直感とは、論理的思考が瞬時に行われるようなものだというのだ。 勝負の場面では、時間的な猶予があまりない。 論理的な思考を構築していたのでは時間がかかりすぎる。 そこで思考の過程を事細かく緻密に理