衆院への内閣不信任案提出に向け、自民、公明両党が一気に動き出した。優柔不断で知られる自民党の谷垣禎一総裁が週内決着に向けて大きくかじを切ったのはなぜか。その背景を探ると、各派領袖(りょうしゅう)や公明党に外堀を埋められた谷垣氏の悲哀を読み取れる。(佐々木美恵、水内茂幸) 「あなたが首相になって選挙に勝ったことがありますか。信任を得られないあなたが、この危機を乗り越えるのは無理なんだ!」 31日の衆院東日本大震災復興特別委員会。自民党の大島理森副総裁は新劇役者のように大見得を切った。 迫力に押されたのか、菅直人首相は「私の態度が理解されず自分の延命だけを考えていると思われているとすれば私の不徳の致すところだ」と神妙な態度。大島氏は勝ち誇った表情を浮かべ「言い訳はもうよい。あなたには真心も誠意もない」と畳みかけたが、審議遅れのあおりでNHK中継は打ち切られてしまった。 大島氏は不信任案の早期提