田中真紀子文部科学相は7日、来春開学を目指す3大学を不認可とする方針を撤回した。野党の追及に加え、世論の反発を受けた民主党が「結党以来主張してきた学ぶ権利を脅かす」と再考を要求。四面楚歌(そか)に陥った田中氏が矛を収めた形だが、「暴走」が残した混乱の傷は深い。自民党は田中氏の罷免を求めるとともに、野田佳彦首相の任命責任も厳しく追及する方針だ。 「3大学も世間も誤解している。不認可の処分はまだ行っていません」。田中氏は7日の衆院文科委員会で、現状は文科省幹部が口頭で田中氏の意向を伝えたに過ぎず、正式な書面の通知は行っていないと釈明した。2日以降の報道にも「説明した事務方が私の真意をくみ取れなかった」と、責任を官僚に転嫁したとも取れる答弁を繰り返した。 田中氏は6日に「年内に再審査する」と軌道修正しており、藤村修官房長官は7日の衆院内閣委員会で「来週に新たな認可基準を決める組織を設ける」と説明