何が問題か理解しているのか? 毎月勤労統計調査の2018年の実質賃金をめぐり、野党や一部メディアは「参考値」を算出すればマイナスになるとして、公表を求めている。とはいうものの、参考値と公表値の違いとは何かを理解しているのだろうか。参考値を公表することで何か明らかになるのか。 筆者は、統計不正が今国会の目玉になりそうだったので、本コラムで1月21日(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59499)と2月4日(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59702)に、この問題について書いた。そこでは、今回の背景になる本質的な問題として、統計業務に係る人員・予算の不足があること、そして各省の縦割りが背景にあることを挙げた。 さらに、「実質賃金が上がっていないことを指して、アベノミクス偽装というのは筋違いである」ということも指摘