元相方から突然の連絡 2020年、コロナがやってきた。 これによって僕は窮地に立たされた。仕事がほぼない。そして、今後も恐らくない。コロナが収束したとしても自分の代わりなんていくらでもいるし、まずそもそも居場所がない。 政府に自宅待機をさせられながら、もしかしたら僕はずっとこのまま自宅待機の可能性があるなと笑いながら本心では震えていた。 1ヶ月の収入が家賃を払えないほどまで落ちた。終わった。 「30歳までにある程度結果を出せなかったら、芸人を辞める」という親との約束があり、なんとかギリギリ辞めずに30歳を乗り越えたのに、その期限の翌年に辞めるタイミングが来てしまった。 世の中もどうなるかわからない。先の見えない不安でいっぱいだった。 そんな頃、カーディガンのときの元相方から久しぶりに連絡が来た。 「元気?」 元相方は、コンビを解散した後、社会人として成功を収め社長にまで上り詰めていた。家族