勝田政治『廃藩置県 「明治国家」が生まれた日』を読了。電子教材の教材研究のために読んでみた。言葉としてはよく知っている「廃藩置県」ですが、ものすごいのね…。廃藩置県を断行したのは大久保利通。廃藩置県を決意した時には、こんなふうに日記に書き残したらしい。 篤と熟考今日のままにして瓦解せんよりは寧ろ大英断に出て瓦解いたしたらん 国家としての悲壮さがあるなあ、と。廃藩置県をメインテーマにしてあるだけあって、いろいろなエピソードも盛り込まれていておもしろい。藩を県にして、送り込まれた県参事には、基本的には同県出身者を置かないようにしていたけど、大久保は自身の出身県・鹿児島藩には同県出身者を置いていた*1。島津の殿様に気を使って、ね。でも、山口県は長州藩出身者じゃなくて、旧幕臣を置いたのだそうな。なんだか陰謀大好きで陰湿なイメージのある長州ですが*2、こういうところでの奇妙な潔さとか好きだなあ。 維