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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (46)

  • 「土の文明史」はスゴ本

    土壌の肥沃さと土壌浸から歴史をとらえなおす快著。文明の発展は土壌の搾取と放棄のくり返しによるものだということが分かる。 ■ 結論 書のシンプルな結論を図で説明する(p.17より引用)。「土」はもっとも正当に評価されていない、かつ、もっとも軽んじられた、それでいて欠くことのできない天然資源である。肥沃な土壌は、地下からの岩石の風化と地表での侵、およびその間の微生物・昆虫・ミミズなどの生物と植物類の生態系のバランスの上に成り立っている。あらゆる文明の興亡は、「いつこの土壌を使い尽くすか」「肥沃度をどのように保(も)たせるか」に依拠する。土壌の生成を上回るペースで浸を加速させる農業慣行により、肥沃な土壌を失ったときが、文明の滅ぶときである。つまり、土の寿命こそ文明の寿命なのだ。 ■ 超広角で大深度で人類史的な視座 環境破壊が歴史を変えた着眼点に「土」をもってくるところがユニークだ。しかも

    「土の文明史」はスゴ本
    hsksyusk
    hsksyusk 2010/04/28
    これは読む。
  • 人類を救うためのトリアージ「五〇〇億ドルでできること」

    ヒステリックな学者や、不安を煽るだけのマスコミに読ませたい一冊。 「待ったなし」と表現される問題がある。地球環境、水資源や糧の枯渇、飢餓と貧困、感染症の拡大などがそうだろう。しかし、「待ったなし」と言われてから、いったい何年、何十年経過しているだろうか? いや、こうした問題に取りくむ人々や組織・機関がサボってたわけではない。割り当てられた資源のなかでやりくりしながらそれぞれの責務を果たしてきたはずだ。では、どうしてこうした問題の解決が遅々としているのだろうか? 資源が足りない?足りないのはどの問題も同じ。むしろ、問題に応じて割り当てられていないため、効果的に活用されていないのではないか。そのときの風潮を受け、場当たり的に資源の逐次的投入をしてきたためではないか──書を読むと、そう考えるようになる。 世界のためにあと500億ドル使えるとしたら、どの問題から解決するべきか?一流の経済学者た

    人類を救うためのトリアージ「五〇〇億ドルでできること」
    hsksyusk
    hsksyusk 2009/01/10
    地球規模の課題の優先順位。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: アパルトヘイトの時代臭「鉄の時代」

    どの小説もその時代と場所につながれている。 「世界文学」だの「時代を超えた」といった麗句は、その時代と場所を取捨し、普遍性だけに目をつけているから用心しないと。残雪「暗夜」やクンデラ「存在の耐えられない軽さ」を、文化大革命やプラハの春から乖離させて語るわたしは、表層をなでているに過ぎないから。 いやいや、逆の言い方もできるぞ。残雪やクンデラを通じて、その時代や場所を知るんだ。フィルタリングされたスコープで、時代を覗き見するといってもいい。残雪は暗喩として、クンデラは直喩として。 クッツェー「鉄の時代」で描かれるアパルトヘイトは、メタファーのようなまだるっこしさはない。物語のなかに、まるで映像のようにクッキリと臭いが写りこんでいる。彼がこれを書いたのは、1986-89年で、アパルトヘイト体制末期だった――などと、したり顔できるのは過去話だから。非常事態宣言が発動され、内乱状態だった時代から、

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: アパルトヘイトの時代臭「鉄の時代」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 悪用厳禁!「プロパガンダ」

    「だまされた」と思わせずに大衆を騙すテクニックがわんさと紹介されている。 広告・政治宣伝のからくりを見抜くスゴ。コマーシャルで衝動買いしたり、連呼されるワンフレーズ・ポリティクスに洗脳されることはなくなるだろう。マスメディアの欺瞞を意識している方なら自明のことばかりかもしれないが、それでも、ここまで網羅され研究し尽くされているものはない。 もちろん、チャルディーニの「影響力の武器」と激しくカブってる。その研究成果が幾度も引用されており、暗黙のお返しを求める返報性の罠や、小さなものから大きなコミットメントを求める一貫性の自縄自縛のテクニックなんて、そのまんまだ。 しかし、破壊力が違う。「影響力の武器」を一言であらわすならば、「相手にYesといわせる」ことを目的としているが、書はそれに加えて「相手を説得し、積極的に賛同させる」ことがテーマなのだ。さらに、一人ふたりではなく、大衆レベルで実現

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 悪用厳禁!「プロパガンダ」
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/09/15
    PR法、人を説得する方法。
  • 時間感覚を変える「アフリカの日々」

    「ライ麦畑でつかまえて」のホールデンが絶賛してた小説、といえば思い出すだろうか? ほら、図書館員が間違って渡したやつ。 読んでいるとき、時間の流れかたを意識するほうだ。(物語の)中の流れと、読み手のわたしの時間と、両方を意識する。もちろん物語の流れは一様ではないし、外のわたしの感覚も一定ではない。ちょうど、併走する自動車の窓ごしに握手するようなもの。うまくシンクロするとフロー感覚が得られ、スピードアップすると「めくるめく」という表現を当てはめたくなる。 そういう意味で、ディネセンの「アフリカの日々」は、まるで違う時間が流れている。 そこにはディネセンの時間が頑として在り、わたしは自動車を降りざるを得ない。この語りにつきあうために、歩いていくほかない。著者は自動車に乗ったり飛行機に乗ったりするが、流れくる時のスピードは歩くのと変わらない。いつものように、うっかり速度をあげると、美しい光景はあ

    時間感覚を変える「アフリカの日々」
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/07/20
    アフリカの時間の流れ方が疑似体験できそう。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ドラッカー「マネジメント」はスゴ本

    マネジメントの原則がわかる、いわば原液。 そこらで1,500円で売っている「ビジネス書」は、書の一部をうす~くのばして「再利用」していることに気づく。広い世の中、「ビジネス書を読むのがシュミ」なんて変わった御仁もいそうだが、100冊のビジネス書より、1冊の書を使うべし。 しかしこれ、厚いんだよね。巨大な辞書といったカンジで鈍器にピッタリ。 もちろん、図書館の期限内で読みきれるはずもなく、痛勤電車に持ち込めるはずもなく、むなしく延長と延滞の日々を重ねてきた。抄訳である「エッセンシャル版」は読んだのだが、ブツ切りの主張が脈絡なく連なっている。 それが、ありがたいことに分冊版が出た。4分冊になっており、その第1巻を読む。おかげで、彼の考えを順番に追いながら、一緒に考え抜くことができる。すこし読むだけで「気づき」が山ほどでてくる。付せん使うなら、全ページに貼るハメになる(ヘタすると1ページに2

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ドラッカー「マネジメント」はスゴ本
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/07/18
    マネジメントの原則がわかる。何よりもこれを読む。
  • たのしんで、はたらくために「はたらきたい。」

    すべての「はたらきたい人」にオススメ。 「ほぼ日の就職論」という触れ込みだが、就職活動している人にとどまらない。「はたらくこと」の根っこまで掘り下げて、「ほらっ」て見せてくれる。糸井重里がいうには、 「はたらくこと」って、どういうことなのか。 それについての自分なりの答えは「大切にしてきたもの」を考えることで、見えてくるのではないだろうか。 仮に、就職活動をうまくやるための「すぐ効く処方箋」のようなものを求めて読むと、完全に肩透かしを喰らう。いっぽうで、漫然と働いていながら「はたらくこと」について何らかのヒントが欲しかった人にとっては、読んでよかったな、と思える一冊になるだろう。 企業の人事担当や、キャリアマネジメントの研究者など、いわゆる「就職のプロ」の話から、漫画家(しりあがり寿)やミュージシャン(ピエール瀧)など就職していない人たちにとっての「はたらくこと」、さらには「矢沢永吉」の中

    たのしんで、はたらくために「はたらきたい。」
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/06/09
    ほぼ日の本。「「はたらくこと」って、どういうことなのか。」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: Google Earth のような人類史「銃・病原菌・鉄」

    Google Earth が愉快なのは、バスケットボール大の地球を、文字通り「手玉に取る」ところ。数千キロをぐるりとまわし、見たいピンポイントをズーミング。バードビューからサテライトビューまで自由自在。 この感覚で人類史を解説したのが書。 数千~数万年単位の歴史を、猛スピードでさかのぼり、駆け下りる。大陸塊を横長・縦長で比較しようとする巨大視線を持つ一方で、たった16キロの海峡に経だれられた文化の断絶ポイントを示す。時間のスケールを自在にあやつり、Google Earth をグルグルまわす酩酊感と一緒。地球酔いしそうだ。 ■ 書のテーマとアプローチ 「東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」のNo.1がこれ。 世界の富や権力は、なぜ現在あるような形で分配されてしまったのか? たとえば、なぜヨーロッパの人々がアフリカや南北アメリカ、オーストラリアを征服し、どうしてその

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: Google Earth のような人類史「銃・病原菌・鉄」
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/05/05
    人類史。
  • 親になったら読むべき6冊目「子どもにいちばん教えたいこと」

    子育ての目的はただひとつ、「子どもを大人にすること」だ。 つまり、躾や学校教育だけでなく、一人でやってくための生活スキル(料理・掃除・洗濯)も重要。さらに、困難な事象に対処するための問題解決のスキルも外せないし、なによりも人を信頼し、うまくやっていくコミュニケーションスキルは、親の責任だ。 こんなこと言うのは、わたしに欠けている自覚があるから。親になって初めて「教育」を考えるようになった。子どもといっしょに、自分が教育しなおされている感覚。いや、もっとハッキリ言うなら、子どものおかげで、わたしが「大人」になれたんだ。 だから、育児書を読むのは、半分以上わたしのため。今回は、小~中学生の教育に携わる人にとってかなり有用な一冊を読んだので、紹介する。 ■ どんな? 理想の教育のひとつの形が示されている。いや、フィクションじゃない。ロサンゼルスの移民家庭の小学5年生を受け持つレイフ・エスキス教

    親になったら読むべき6冊目「子どもにいちばん教えたいこと」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊

    毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマったで自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊
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    hsksyusk 2008/04/09
    あとで買いたい本をピックアップする。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「レトリックのすすめ」でマスターしたい12の文彩

    文章うまくなりたいくせに、ロクな努力をしていない。 文章読や入門、「○○の書き方」サイトを漁っては自己満足に淫する。量は質に転化するとはいうものの、駄文はいくら書いても駄文。カラまわりする向上心のギアをローに入れ、テクニカルな部分―― すなわち、「レトリック」に注力してみよう。 「レトリック」といえば、美辞麗句とか口先三寸とか、たしかに評判はよくない。「それはレトリックにすぎない」なんて、内容ゼロを非難する決り文句だし。 それでも、上手くなりたい。いままでの「書き方」だけでなく、違った彩りや味付けを目指したい。技巧が鼻につくかも恐れもあるけれど、さじ加減を考えて磨きたいもの。ネタ(選書)も大事だが、そのネタを引き立たせるのは技術だ。精進にちょうどいいを読んだので、(わたしの勉強がてら)ご紹介~ ■ 文章の目的 著者によると、文章の目的は「人を説得するために書くもの/書かれたもの」だと

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「レトリックのすすめ」でマスターしたい12の文彩
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/03/27
    文章テクニック。未になれば表現の幅が広がりそう。
  • このミステリーがスゴい!ベスト・オブ・ベスト20

    「このミステリーがすごい!」の集大成を別冊宝島でやってる。 1988-2008年の過去20年でもっとも面白かったベスト・オブ・ベスト。だいたい予想のつく顔ぶれだ。これを見習って、書からマイベストを選んだ。ミステリの定義は長話になるので、書でランキングされているものとする。「なぜコレが入ってないッ!」ツッコミは当然のこと、「それがスゴいならコレを読め」はいつでも募集中ですゾ。はてなユーザーは「極上のミステリを教えてください」から回答していただくとポイントを振舞いますゾ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ■  国内編ベスト10 と 海外編ベスト10 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 以下のとおり、古いメンツばかりなんだが、どれも鉄板のオモシロさを保証する。そういや、最近ミステリミステリしたやつを読んでいないかも。 ■

    このミステリーがスゴい!ベスト・オブ・ベスト20
    hsksyusk
    hsksyusk 2008/03/11
  • 「料理上手の台所」でコックピットのような台所を目指す

    人ん家(ち)の台所を見るのが好きだ。 昔、知人の家の冷蔵庫を物色しては、ヒンシュク買ってた。今じゃ代わりに器棚や調理道具を眺めては喜んでいる。機能性を追求すると自然と美しくなる好例だね。 好きの知性が棚に現れるように、料理上手の台所は使い手の人品を感じ取ることができる。使い込まれたほうろう鍋や、磨いで小ぶりになった包丁の年季にびびる。中華料理のプロは数ヶ月で鍋をダメにするというが、そういった暑苦しさは微塵もない。肩に力のはいらない、等身大の"こだわり"を見ていると、だんだんと口が緩む。 共通しているのは、「台所が生活の中心にある」ということ。風が通り、日が入り、そこから生活空間を一望できる場所、それが理想。もちろん住宅事情により、都合よくいかないかもしれないが、棚や配置に工夫を凝らしている(←その凝りかたも人それぞれで興味深い)。必要なときに、必要な道具やストックが手の届く、"ちょう

    「料理上手の台所」でコックピットのような台所を目指す
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    hsksyusk 2008/02/23
    料理上手な人の台所を見てよい台所の参考に。写真が多くてわかりやすい。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: この本がスゴい2007

    今年「も」沢山のスゴと会えたのは、すべてあなたのおかげ。 ありがとうございます、大感謝しています。 たとえば、「このよかった」とblogに書く すると、「ソレが良いなら、じゃぁ○○なんて、どう?」と教えてくれる じゃぁ、○○を読む なんと、す、スゲぇッ(絶叫) いそいで、「○○はスゴ」とblogに書く ふたたび、「ソレが良いなら△△どうよ?」 このフィードバックループのおかげで、普段は読まないエリアまで手が伸びる伸びる。 もちろん嗜好の違いによる「ズレ」はあれど、それは単に「面白がって読めなかった」にすぎない。むしろ、そいつを味わうためのキャパ不足を痛感しただけでもめっけもの。そのを面白がって読むことはスキルの一つ。 気の毒なことに、「トシとると面白いがなくなる」とグチるオッサンがいる。知見の狭さや思考の固さよりも、無自覚な様子が傍目に痛い。ああはなりたくないものだ。「ボクの範囲

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: この本がスゴい2007
  • 学校がつらいなら「氷の海のガレオン/オルタ」

    親になったら読むべき4冊目、あるいは、生きにくさを感じている生徒・児童におすすめ。 わたしの行ってた学校は、当に空気が薄かった。 居所がないというより、そもそもコトバが通じない。「私は日語をしゃべれているのか?」と真剣に考えた。「問題児」というレッテルのおかげで学校からは放っておかれた。いじめには暴力で決着をつけた。それでも、図書室や剣道といった「逃げ場」のおかげで息つぎができた。 大人になるために、子どもを生きのびなければならない。 うまく生きのびたものだと思う。死ぬこともなく、壊れもせず、子どもを終わらせることができた。ほとんど運みたいなものだ。だから、いま、生きにくさを感じている子どもには、何のアドバイスもできない、何の役にも立たない。 ところが、いいを教えてもらった。「氷の海のガレオン」(木地雅映子)だ。どういう内容かというより、どういう子どもなのかは、次を読めばわかる。 「

    学校がつらいなら「氷の海のガレオン/オルタ」
  • 千賀さんはとんでもないものを教えてくれました、「カイト・ランナー」です: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    乗車率200%の痛勤電車で嗚咽が止まらない。 For you, a thousand times over きみのためなら1000回でも 瞼の裏が頬→喉に直通、胸からそのまま熱いやつがあふれる。揺れているのは電車でなく、わたしの心、酒に強く酔ったようだ。要するに、あまりに強い感情に襲われて、立っていられない。 最初に断っておく。これは、今年No.1スゴ、自信を持って、オススメできる(ナンバーワンがいくつあんねん!というツッコミ勘弁なー)。呵責と償いの極上のストーリーを堪能してほしい。 敬愛する千賀サマが、「全米が泣いた 私は泣いたよ」と太鼓判押したのが"The Kite Runner"、勇んで買ったはいいけれど積読山へ(英語小説は優れた導眠剤)。で、橋の下をたくさんの水が流れ、ようやく邦訳を読めたというわけ。 アフガニスタンの激動の歴史を縦軸、父と子、友情、秘密と裏切りのドラマを横軸と

    千賀さんはとんでもないものを教えてくれました、「カイト・ランナー」です: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    hsksyusk
    hsksyusk 2007/10/23
    今年No.1のスゴ本とのこと。アフガニスタンの歴史と、その中で描かれる人間ドラマ。アフガニスタンとアメリカ、二つの祖国を持つ苦悩。二つのスタンダードにはさまれる。
  • 今年のNo.1スゴ本「血と暴力の国」

    極上の小説。血でつくったワインを一気に飲むようにキた。 マッカーシーは傑作「すべての美しい馬」を超えられないんだろうなーと決め付けていたが、どっこい作で化けた。しかもクライムノベルときた。驚くというよりも、疑ったね、物かと(扶桑社だし)。 が、読み始めてすぐ分かった、物だ。しかもパワーアップしてる。あの「刑務所でのナイフの闘い」の緊張感が全編にあふれる(しかも弛むことなくイッキに進むので、読み始めると、息をするヒマはない)。 ストーリーは極シンプルかつ特濃。描写も展開もムダが一切ない。キャラの扱い容赦なし。ぜい肉を削ぎ落とすだけでなく、闘うために最適化された文章だ。もちろん相手はわたし。いつもどおり不用意に主人公、狂言回し、展開予想しながら読み、ヤラレタ。 地の文と会話と内省が区別なく進み、描写の接写/俯瞰の切替は唐突で、動作は結果だけ。シンプルなくせに単純化厳禁。「追うもの/追われ

    今年のNo.1スゴ本「血と暴力の国」
    hsksyusk
    hsksyusk 2007/09/27
    大絶賛のクライム小説。シンプルさと緊張感がポイント。
  • 復刊されますた(via:揮発性メモ)。いやー、めでたい。原題が "LEADERSHIP AND SELF-DECEPTION / GETTING OUT OF THE BOX" で、訳者が同じ人なので、「箱 ―― Getting Out Of The Box」と中身は一緒のはず。 書は、巷に数多にあふれている自己啓発のタネ。成功における「地上最強の商人」や「道は開ける」であったり、マーケティング・交渉術における「影響力の武器」と一緒。新刊出しては印税稼ぐ人は、これらの種をネタにして、せっせと今風の味付けをするという仕掛け。味付けが違うだけの新刊をたくさん読むくらいなら、原液をそのまま読んだ方がずっと効く。 永らく絶版状態となっており、せどらーどもの暗躍を見るにつけ(中古価格 8,000円!)、苦々しく思っていたけれど、ようやく定価で買える。屋にあほほど積んである啓発は、書の

    箱
    hsksyusk
    hsksyusk 2007/09/18
    人間関係に関する自己啓発。「長い間、自分につき続けてきたウソと向き合うのは、たいへん苦しく恥ずかしい。本を読んでいてこれほど惨めな思いをさせられたのは、はじめて。」
  • 文章読本・虎の巻

    世に「文章読」はたくさんある。全部読んだら文章の達人になるのだろうか?あるいは、優れた小説や評論を書けるようになるのだろうか?斎藤美奈子のメッタ斬りを見てると期待できそうにないので、吉行淳之介の編んだ「文章読」を読む。 書には、文章読のエッセンスがギュッと濃縮されている。ずばり「文章とは何か」「文体とは」「優れた文章を書くコツは」との問いにそのまま答えているものばかり。文筆を生業とする書き手たちの「姿勢」がよく見える。このラインナップはスゴい。 文章の上達法(谷崎潤一郎) 谷崎潤一郎の文章(伊藤整) 僕の文章道(萩原朔太郎) 「が」「そして」「しかし」(井伏鱒二) 文章を書くコツ(宇野千代) 自分の文章(中野重治) わたしの文章作法(佐多稲子) センテンスの長短(川端康成) 質疑応答(三島由紀夫) 口語文の改革(中村真一郎) 文章を書くこと(野間宏) 削ることが文章をつくる(島尾敏

    文章読本・虎の巻
    hsksyusk
    hsksyusk 2007/08/14
    文章指南の文章集。集めてきている著者陣がすごく、さらに互いに批判しあっている。各人のスタイルが浮かび上がる。
  • SUGEEEEEEEEEEE!!!「ゴーレム<sup>100</sup>」は超スゴ本

    超スゴ。読みながらのたうちまわった。よじれたのは脳と腹。もだえたのは尻と口。 この、みょうちきりんな体験は、ええと、ジョイスやバロウズ、ギブスンや尾崎翠やツツイヤスタカと比較したくなるけれど、そういう 無★粋★な★こ★と はしない。お高くとまりやがって批評する奴ぁ漬物石くくりつけて日海に沈めちまえ。 読者は考えること禁止な。ひたすら没入・挿入・チン入を強要させられる。身もココロもヘトヘトにさせられる。とファックする感覚。うん、書の紹介に「実験小説」とあるが、実験台にされているのは読者だな(断言)。 ストーリーなんてページをめくらせるための方便。べられるように読まされる。typoではない。が襲いかかってきて、べられる感覚。冷静に読ませてくれない。下品、汚猥、造語、駄洒落、鏡言葉(Ind'dni)、Double Meaning、アメコミ、抽象画像?崩壊した言語感覚のタレ流しなら、

    SUGEEEEEEEEEEE!!!「ゴーレム<sup>100</sup>」は超スゴ本
    hsksyusk
    hsksyusk 2007/07/20
    大絶賛だが読んで大丈夫か不安。