L-カルニチン、コエンザイムQ10およびα-リポ酸は、ダイエット効果を標榜する「いわゆる健康食品」に含まれている話題の食品素材です。生化学の教科書では、これらの素材はいずれもエネルギー消費やエネルギー産生に重要な役割を果たすことが示されています(1)。従って、これら食品素材の摂取は脂肪燃焼を促し、ダイエットに効果的に作用する可能性が強調され販売されています。そこで本ミニレビューでは、脂肪燃焼に密接に関与する食品素材の一つであるL-カルニチンを取り上げ、その作用メカニズムや人での研究成果について紹介し、最近話題の機能性を考えてみたいと思います。 1. L-カルニチンとは L-カルニチン(図-1)はリジンとメチオニンと言う2つのアミノ酸から肝臓や腎臓で作られる生体微量成分です。この他にも肉などから摂取されます。L-カルニチンは、体内でも造られる成分ですが、年齢とともにその生成量は低下すること