骨粗鬆症に対する運動療法の目的は,骨量の増加,身体運動機能の改善,腰背部痛の軽減,さらにQOLの向上など多様であるため,これまで行われてきた運動療法も多彩である。筋力訓練だけでも,その種類はさまざまであり,背筋などの特定の筋力の強化を行うものから,負荷を増加させつつ全身の筋力を強化するものまで存在する。さらにストレッチングなどの柔軟運動,ウォーキングなどの有酸素運動,バランス機能改善のための運動などを加えたプロトコールも少なくない(表44)。これまでの検討では,それぞれの目的に対する少なくとも部分的な効果が認められていることから,これらの運動療法は骨粗鬆症に対して有効であると考えられる(レベルI)。