今日の記事はやや専門的だが、薬剤師ないし薬学部の学生さんにはすぐにわかる内容だと思う。 今回、ジプレキサのジェネリック(オランザピン錠)が発売されるが、各社ジェネリックの薬物動態にかなりばらつきがみられる。これは製剤の際、先発品の特許があるので全く同じ製法がとれないことや、賦形剤の相違も関係があるのかもしれない。 なお、賦形剤とは薬に混入される添加物である。これは錠剤の形状を安定させたり、服用しやすくするためのもので各社は全く同じものを使っていない。賦形剤の代表的なものはデンプンや乳糖などである。 先発品のジプレキサの薬物動態の各スコアは、錠とザイディスで微妙に異なる。ザイディスの方が、若干だがTmaxが遅れ、Cmaxが低くなっている。Tmaxは最高血中濃度到達時間、Cmaxは最高血中濃度のことである。しかしこの差異は僅かなので有意差はないと思われる。 以下は5㎎錠の先発品の資料である。
今日は、非定型抗精神病薬の中でも代表的な2剤、エビリファイとジプレキサの効能効果、副作用についての話。今回の記事は、ちょっと長くなる。 ジプレキサとエビリファイの2剤は、同じ非定型抗精神病薬でありながら、前者がさまざまなレセプターに作用するのに比べ、エビリファイはピンポイント系の薬物で、プロフィールはかなり異なる。 また、ジプレキサ、エビリファイいずれも公式に統合失調症だけでなく双極性障害にも適応を持ち、その他さまざまな精神疾患にも適応外で使われる薬でもあり、新時代の自在タイプの抗精神病薬である。 エビリファイは大塚製薬による創薬であり、まず海外で上梓され臨床医から高く評価されている。これは従来の抗精神病薬にありがちな副作用が少なかったからである。 なぜ日本で創薬されたものを海外でまず発売するのかと言えば、海外の方が治験が日本より容易なことが大きい。日本での治験は色々と面倒な上、発売まで時
統合失調症や妄想性障害などの疾患で、決して服薬しない人がいる。このような人は昔から対処に困っていた。困るのは主に家族だが、主治医も同様である。 入院させた場合、定時に半ば強制的に服薬させるが、巧妙に舌の下などに隠して後で捨てていることがある。 このような時、入院時はともかく、退院したらこの人は服薬などしないだろうなと思う。 統合失調症の場合、薬への反応性が良くても、全く服薬しない人は99%以上の確率で予後不良である。薬の反応性が悪い人からみると、非常に恵まれているが、全てを台無しにしている。 しかし、不思議なことに統合失調症の人は全く病状と服薬することの関連性がわかっていないのに、服薬してくれる人の方が遥かに多い。 ただし、生活の不規則さなどから一定の割合で飲み忘れるので、僕の場合、70~80%程度入れば御の字だといつも思っている。 決して服薬しないような人は、人格面で荒廃がむしろ少ない妄
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