世界中の中央銀行が今、同じ問題に頭を悩ませている。「出口戦略」をいつ始めるべきなのか、「今すぐ」であるはずはないが、果たしてそう言い切っていいのだろうか、と自問しているのだ。 筆者は、今すぐ始める必要は恐らくないが、一般に想定されているよりも早いタイミングで実行するべきだ、というのが正解ではないかと考えている。 出口戦略は段階的に行われることになる。その具体的な手順は、中央銀行によって異なるだろう。欧州中央銀行(ECB)の場合は、まず長期リファイナンス・オペを中止にし、続いて通常の流動性政策を引き締めると予想される。 また主要な短期政策金利を引き上げ始める前に、市中銀行がECBに余剰資金を預ける際の金利を上げるだろう。 金利を引き上げる前にやるべきことが数多くあるため、時間もそれなりにかかる。既にいくつかの市場でバブルが発生していることを考えれば、現時点で、実はもう遅すぎるのかもしれない。