◇政策手段はいくらでも残されている◇ 去る12月3日に臨時国会が閉幕し、同時に、みんなの党が提出していた日本銀行法改正案は廃案となった。同党結党時以来の重要提案であるため、年始の通常国会でも再提出するとのことである。また、民主党においても脱デフレ議連(デフレから脱却し景気回復をめざす議員連盟、松原仁会長)を中心に、さらなる金融緩和と金融政策のルール化への動きが加速しはじめている。 その一方で慎重論も根強い。しかし、日銀法改正によるインフレ目標・雇用目標の導入や、さらなる金融緩和への批判の多くは、当初提案への誤解に基づいているように感じられる。そこで、あらためて金融政策改革の必要性について整理してみたい。 第一の批判は、これら政治の金融政策への言及が「日本銀行の独立性を侵犯している」との主張である。これは中央銀行の独立性に関する、完全な誤解である。中央銀行はいかなる意味においても、政府