世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下「統一教会」と表記)と自民党議員の関係が、連日話題になっている。殺害された安倍晋三元首相と統一教会の関係はいかなるものだったのか。その究明は喫緊の課題である。 統一教会問題を追い続けて来たジャーナリストの鈴木エイトは、事件前に書かれた「安倍政権下でもたらされた統一教会との“歪(いびつ)な共存関係”の弊害」(『日本を壊した安倍政権』扶桑社、2020年)の中で、すでに両者の関係に注目している。 安倍元首相と統一教会の関係は、官房長官時代に事務所からイベントへの祝電を送った程度で、もともとは深くなかった。むしろ「安倍自身はアプローチを断っていた形跡がある」。しかし、その関係は、第一次安倍政権が崩壊後に変化した。民主党政権が成立し、自民党が下野すると、有力議員たちは政権奪還に向けて動き始め、安倍は二〇一〇年と一二年に、教団関連の政治団体・世界戦略総合研究所(世