はじめに 子どもに対する性犯罪を予防するために、性犯罪前科で人を選別し、教育や保育の現場での就業を制限しようとする「日本版DBS」の国会審議が始まっている。 子どもに対する性犯罪の卑劣さ、被害の重大さは言うまでもないことであるが、それを予防するための「日本版DBS」はいわば劇薬のようなもので、その副作用はどこまで広がるか分からない。そんな怖ろしい法案である。以下、いくつかの問題点を指摘しておきたい。 犯罪が起きないような環境づくりこそが重要 教育や保育の現場で起こっている性犯罪の圧倒的大多数は、実は前科のない「初犯」である。前科がないから、DBSは使いようがない。 前科情報はもっとも慎重かつ厳格に国が管理してきた個人情報であるが、その縛りを解いて民間に流し、それを犯罪予防に使おうという発想じたいに、許容しがたい無理がある。 そこで、対象を広げて、前科がつかない少年時代の性犯罪や成人であって
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