インドネシアの大統領選が投開票された2024年2月14日、3人の候補者のうちプラボウォ・スビアント国防相(72)が早々と勝利宣言をした。出口調査でも6割ほどの得票が見込まれ、決選投票を待たずに現職ジョコ・ウィドド氏の後任に収まることになりそうだ。 これにより東南アジア主要国で2022年から実施されてきた国政選挙が一巡した。4カ国で選挙によって政権交代が実現したものの、俯瞰すれば、地域における権威主義の深化、政治の王朝化が進んだようにみえる。 選挙による政権交代は4カ国のみ 2022年5月、フィリピンの大統領選でボンボン・マルコス氏が当選した。同年11月のマレーシアの総選挙では、最多得票を獲得した希望連盟(PH)のアンワル・イブラヒム元副首相が第10代首相に任命された。旧与党の国民戦線(BN)なども新政権に参加したが、BNが中心となって連立与党を構成していた前政権から事実上の政権交代となった