ブックマーク / note.com/kozakaimaruko (10)

  • ⑫鬱病の人を助けたいあなたへ(3)お医者さんにはできない、あなただからできること|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 必要とされている感じ前回の続きで、病の際に嬉しかった対応の話になります。 幼馴染の家族にもとてもお世話になりました。 私が脚立をもってマンションから飛び降りに行こうと外を出たあたりで、幼馴染の奥さんに偶然あいました。私の状況を知った彼女はポロポロと涙を流して、「うちでご飯べよう。夜にまた迎えに行くから」と言ってくれました。 その日から、これもまた記憶が曖昧で期間は覚えてないですが、毎日夜ご飯をべさせてもらいに行きました。毎日、まだ小さい子供をつれて奥さんが家まで迎えにきてくれました。 そこはご両親も一緒の大家族で、いつもできたての手作り料理がたくさん並んでいました。 お父さんが「小堺さん、僕はこの天かすが大好物でさ」とか、なんてことない話を普段通りに投げかけてくれたりもしました。 私

    ⑫鬱病の人を助けたいあなたへ(3)お医者さんにはできない、あなただからできること|小堺丸子
  • ⑩鬱病の人を助けたいあなたへ(1)否定せず、言いたいことを言わせる|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 スマホが壊れるほどかけつづけた電話私は先述したように、最終的には当にたくさんの方に救いを求めました。 特に、誰かと話さないと落ち着かない状況に陥っていた間は色んな人に相手をしてもらいました。 一番最初は自営業をしている上の兄に電話の相手をしてもらっていましたが、電話をかける回数が徐々にエスカレートし、兄のスマホの電池の減りが早くなり、最終的にはスマホが壊れました。大事な子供の写真が消えた、と怒られました。 そこまでいくと兄も電話にあまり出なくなってしまい、それで、誰かほかに相手にしてくれないかと色んな人に電話するようになったのです。 電話の内容はほぼ「死にたい」「どの方法が一番ラクに死ねると思う?」「殺してくれない?」そんな内容です。これを何度も何度もエンドレスに言うのだから相手はたまっ

    ⑩鬱病の人を助けたいあなたへ(1)否定せず、言いたいことを言わせる|小堺丸子
  • ⑨鬱病で苦しむあなたへ(8)。みんなに頼っていい、鬱病は強くなれるチャンス|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 みんなに頼っていい病になった当初、私は親しい友人にも状況を話すのをためらっていました。 恥ずかしさ、迷惑をかけたくない、そんな理由です。 母も家族以外には迷惑だから言うべきではないと言っていました。 でも私は耐え切れず、これは私の性格上もあるかもしれませんが、ついには当に多くの人に助けを求めました。 家族・親戚たちのほかに、学生時代の友達(特に高校1年から仲が良い親友メンバー)、幼馴染、取材先で親しくなった遠方の人たち、元同僚、パートナー、いのちの電話、カウンセラー、母の昔の職場の人たちなど(私の両親は医療従事者で、私がで頭がおかしくなっていると騒いだ時、両親を知る昔の職場の方たちが尽力してくれました)。数えたら50人以上になります。あと散歩につきあってくれた犬2匹も。 もじゃもじゃ

    ⑨鬱病で苦しむあなたへ(8)。みんなに頼っていい、鬱病は強くなれるチャンス|小堺丸子
  • ⑧鬱病で苦しむあなたへ(7)。いのちの電話はボランティア|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 命の電話ここのパートで書くのがふさわしいかわかりませんが、どこかで書き残したいので書きます。 死ぬ方法や「死にたい」というワードをネットで検索すると、「いのちの電話」を代表とする、電話相談窓口へのリンクがサイトの一番上にでてきます。 私はいっときこちらにお世話になっていました。 でも、ぜんぜんつながりませんでした(2020年当時)。数えてはいなかったので、だいたいになりますが50回かけて1回つながるかどうか、くらいだった気がしています。 ようやくつながった相手の後ろでは、他の電話がひっきりなしに鳴っていました。 こんなにも死にたい気持ちの人たち、相談したい人たちが全国にいるんだなと思いました。 相談相手は、場所は限られておらず、全国各地の人につながる仕組みになっているようでした。私がつなが

    ⑧鬱病で苦しむあなたへ(7)。いのちの電話はボランティア|小堺丸子
  • ⑥鬱病で苦しむあなたへ(5)。鬱状態の時に気にしなくていいこと|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 お風呂に入るのが困難なほどの無気力閉鎖病棟に入院中、私は患者の中でも特に無気力だったと思います。 新聞もTVもも見たくない、病院が用意する、たとえば書道や、好きなCDを選んでみんなで聞くこと、簡単なアクセサリーを作るといったような作業療法にも一切興味がない状態でした。 「なんでも良いから書いて」と家族に渡されたノートには、なにを書いていいのか浮かばず、提案された通り、その直前にべた献立を苦労して一回だけ書いて、それで終わりました。文字もゆがんで、いつもの自分の字ではなかったです。 普段はスマホで日常の写真を撮るのが好きなのですが、病気の間は犬をほんの数枚撮った程度でした。当になんの興味も失せ、いつもの笑顔になることはその後1年のあいだ無かったです。 入院中、患者さんたちが話していまし

    ⑥鬱病で苦しむあなたへ(5)。鬱状態の時に気にしなくていいこと|小堺丸子
  • ⑦鬱病で苦しむあなたへ(6)。社会復帰は焦らない、採用側の人に伝えたい事|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 社会復帰への道のりについて私が病を発症したきっかけは将来の不安、特に再就職に対しての自信のなさから来ていました。 発病して、周りが「今は到底働ける状態じゃない」とさんざん言っているのに、私は「働き始めることができさえすれば、病は治る」と真逆のことを言い続けていました。 なので病初期の頃(閉鎖病棟の入院直前)、就職活動を無理やり進め、なんとか受かったものの1日しかメンタルがもたず、2日めの朝に電話で「すみません。実は病なんです」と言ってすべてを白紙にしてもらったこともありました。 その後、強制的に入院させられたり、自殺をずっと考えたり、まあいろいろやっているうちにブランクが1年以上あいてしまいました。そのなかで死ぬことは難しい・生きざるを得ないのだと思うように変化していくのわけですが

    ⑦鬱病で苦しむあなたへ(6)。社会復帰は焦らない、採用側の人に伝えたい事|小堺丸子
  • ④鬱病で苦しむあなたへ(3)。鬱病は心の病気じゃない、脳の病気|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 病は心の病気じゃない、脳の病気これについては、いずれ専門家の方に意見を聞きたいと思っています。 わたしが病を経験して感じたことは、確かにきっかけとなったのは、将来への不安やストレスといった気持ちからくるものかもしれないけれど、結局はなにか神経伝達物質などの関係で「脳の機能がおかしくなった」のでは、ということです。 閉鎖病棟でもらったテキストをいま見返してみると「精神科の病気では、脳内で情報を伝える働きに乱れが生じています。薬を飲むことで、情報を伝える働きをする物質を調整し乱れを改善し、つらい症状を軽くしたり、出にくくします」とあります。 これらを理解していれば、他の体のケガや病気を治すようなイメージで、薬などに頼って治すという感覚で気軽に病院に行け、少しでも早く改善できるんじゃないだろ

    ④鬱病で苦しむあなたへ(3)。鬱病は心の病気じゃない、脳の病気|小堺丸子
  • ③鬱病で苦しむあなたへ(2)。父の自殺について、遺伝の恐怖にとらわれない|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 父の自殺について私の父は50歳の時に躁うつ病が原因で自殺しています。 私は当時学生で実家を離れていて、突然の知らせでした。 いつもニコニコして優しかった父。 病院にかけつけると、ベッドの上で「生かされている」状態でした。 混乱して当時の記憶があいまいですが、私が到着してしばらくたってから、医師と家族の判断で、その状態を終わらせました。 みんなで父のベッドを囲み、その終わらせた瞬間を見ていました。 当時の、私の全身にある細胞がすべて壊れていくような、その感覚だけは今でも、これからも、一生忘れないとおもいます。 父の死のショックははげしく、その後5年間ほどは毎日「お父さん、何もできずごめんなさい、愛してるよ」と唱えてから寝ていました。(ついでに昔飼っていた犬のジローにもごめんとおやすみを唱えて

    ③鬱病で苦しむあなたへ(2)。父の自殺について、遺伝の恐怖にとらわれない|小堺丸子
  • ②鬱病で苦しむあなたへ(1)。鬱病は治る、死ぬのは難しいから諦めて|小堺丸子

    ※あくまで「私のケース」であること「私の個人的な考え」である事を念頭にお読みいただければと思います。 ※5/20 note運営事務局より連絡があり、一部描写を修正しました。 病は治る(ただし時間がかかる)私は身をもって経験したので、このことを声を大にして言いたい。 たしかに病克服のやブログは多くあると思うので、治るということは知ってる人も多いかもしれません。でも病の真っただ中にいるときは「自分は治らない、もうこのさき一生笑うことはないし、死ぬしかない」という囚われが凄かったです。 どん底よりほんのちょっぴりあがったあたりで、「死にたい」から「生きるしかないのか…」に意識を変えざるを得なかったとき、救いの言葉はYouTubeでたまたまみつけた「病は治るよ!」と断言していた人の一言でした。他にもそういった言葉がないか自分なりにたくさん調べたけど意外と見つからなかったです。私はその動画

    ②鬱病で苦しむあなたへ(1)。鬱病は治る、死ぬのは難しいから諦めて|小堺丸子
  • 「死にたい」と1万回以上言い続けた私が鬱病を克服し、どうしても伝えたいこと①自己紹介と鬱病期間|小堺丸子

    自己紹介初めましての方もいることを想定して、簡単に自己紹介します。 私はふだん会社員をしながら、主に「大人の自由研究」と呼ばれる読み物サイト『デイリーポータルZ』でライターをしています。デイリーポータルZは、タモリ倶楽部や水曜どうでしょうが好きな人には共感してもらえる趣きがあるサイトです。 デイリーポータルZで私は、そこらへんの人に個人的におすすめの場所を聞いて周る「地元の人頼りの旅」シリーズや、「パンツとバレない帽子をつくる」といったしょうもない題材のものまで色々と書いています。基は読んでも役に立たない、けどなんか暇つぶしには良い、そんな記事を目指して書いています。 ライター活動の詳細については別で書いた自己紹介をご参照(こちら) 休載期間は病で死にかけていましたそんな私は、2019年の春頃から徐々に精神的に不調になり、7月に体に症状が表れてから2020年11月半ばに社会復帰するまで

    「死にたい」と1万回以上言い続けた私が鬱病を克服し、どうしても伝えたいこと①自己紹介と鬱病期間|小堺丸子
    ichigocage
    ichigocage 2022/05/16
    小堺さんの記事が大好きなので、ほんとうに復帰してくださってうれしい。
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