過激派組織「イスラム国」から逃れた避難民が身を寄せるシリア北部アレッポの大学寮。そこで出会った10代半ばの少年は、故郷での体験を語るうちに震え始めた。 「二度と帰りたくない」 アレッポの北東約90キロにある人口約10万人の町マンビジュから、家族と一緒に逃げてきた。 半年ほど前、銃を持った「イスラム国」の戦闘員が自宅に押し入ってきた。子どもは皆、町中心部の広場に集まるよう命じられた。 男女約200人の子どもたちが広場に並ばされた。子どもたちの前には、30代半ばの女性が首から下を土に埋められていた。 戦闘員の一人が「この女はニカブ(目だけを出すベール)を着ることを拒否した。これからその罰を受ける」と声を張り上げた。戦闘員が女性に向けて次々石を投げた。 思わず目を背けようとすると、銃を向けられた。最後まで「処刑」を見続けるよう強いられたという。 シリア北部ラッカを「首都」と称し、一方的に国家樹立