Linuxのセキュリティ機能「SELinux」は組み込みからクラウドまで広く浸透し、今や避けては通れません。本連載では、SELinuxの役割と、IoT時代の活用法を実践的に紹介します。初回はまず、SELinuxとは一体どのような時に役立つのか見ていきます。 SELinuxを無効にしていませんか? Linuxカーネルのセキュリティ機能であるSELinux(Security Enhanced Linux)が主要なLinuxディストリビューションに含まれるようになって久しいですが、システム構築の現場では、邪魔者として無効にされることが多くなっています。しかし、本当にSELinuxを無効にしてしまってよいのでしょうか? SELinuxを有効にすると対策が難しい「ゼロデイ」を含む脆弱性を突かれても多くをブロックできます。図1、図2は、2016年9月にMySQL業界を騒がせた脆弱性について、公開された