大規模地震やパンデミックといった災害が発生したとき,人は緊張や不安など強いストレスを受ける。そうした精神状態で業務継続に向けた行動や判断を行わなければならず,ミスや遅延を起こしやすい状況に置かれる。しかし,だからといって,災害時のシステムの切り替えなどをすべて自動化すれば,その構築・運用にかかるコスト負担は重くなってしまう。 目指すべき災害対策は,人を中心にした仕組みだ。普段とは大きく異なる厳しい状況の中で,人を中心に機能するよう改善しておきたい。 それは,どのような仕組みになるのか。ヒントは,災害対策訓練を通して得られた課題の中にある。訓練ではシステム面の課題も見つかるが,「人」にかかわる課題が多く洗い出される。それらを一つひとつ解決していけば,人を中心にした仕組みになる。 連載第1回で登場した神戸製鋼所や富士フイルムコンピューターシステムをはじめ,訓練を実施した現場で見つかった主な課題
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