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ブックマーク / book.asahi.com (25)

  • 「それでもなぜ、トランプは支持されるのか」 二極社会への憤りが生んだ「革命」 朝日新聞書評から |好書好日

    それでもなぜ、トランプは支持されるのか: アメリカ地殻変動の思想史 著者:会田 弘継 出版社:東洋経済新報社 ジャンル:西洋思想 「それでもなぜ、トランプは支持されるのか」 [著]会田弘継 不倫口止め料の不正処理事件をめぐり、米国の大統領経験者で初の有罪評決を受けたドナルド・トランプ。大統領選の結果を覆そうとした容疑など、他にも刑事裁判を抱えるが、支持は衰えない。黒人やヒスパニック、若者の支持も着実に広げてきた。数々の差別発言や民主主義を軽視する言動にもかかわらず、である。この現実を説明しようと、トランプ支持者を権威主義に魅入られ、噓(うそ)と真実の見分けもつかない哀れな人たちとみなす論調も広がる。 トランプが常識破りの人間であることは間違いない。しかし裏を返せば、かくも危険な人間に権力を与え、いったん何もかもを破壊し、「リセット」したいと思うほどに、大衆に政治への絶望と怒りが巣くってきた

    「それでもなぜ、トランプは支持されるのか」 二極社会への憤りが生んだ「革命」 朝日新聞書評から |好書好日
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    imakita_corp 2024/09/02
    >>トランプに強固な思想はないが、だからこそ、トランプを「媒体」に革命を起こそうとする知識人には都合がよい存在だ。
  • 戦争への感度、鈍っていた日本 歴史めぐる論文集5巻が完結、編集委員・石原俊さんに聞く|好書好日

    歴史社会学者で明治学院大学教授の石原俊さん 生き延びるのは「自己責任」、敗戦時も今も同じ 「シリーズ戦争と社会」は軍隊と社会、総力戦や占領の実態、記憶と追悼などを扱う全5巻で構成される。戦時中の出来事だけでなく占領期や現代の「新しい戦争」までを視野に入れ、幅広い視点で戦争と社会の関係を問い直している。 石原さんは「敗戦の前後に極限の形態を示した近代日の基構造は、21世紀の今も変わっていない」と指摘する。日軍は兵站(へいたん)〈ロジスティクス〉をほとんど無視しており、戦争末期の東南アジアや太平洋の島々で兵たちは補給を絶たれ、いわば「自己責任」で生き延びることを余儀なくされた。「敗戦後の糧不足や民間人の引き揚げも戦地の日兵と同じ状況に置かれた。コロナ禍で検査やワクチン接種が滞り、経済活動が制限されるなど、弱い立場の人々が自己責任で生き延びることを強いられている現代においても、ある意味

    戦争への感度、鈍っていた日本 歴史めぐる論文集5巻が完結、編集委員・石原俊さんに聞く|好書好日
  • 「それって個人の感想ですよね」「数字で示して下さい」…この考え方のどこが問題?―『客観性の落とし穴』|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 この考え方のどこが問題なのか? 書籍情報はこちら 現代社会で真理とみなされている「客観性」「数値的なエビデンス」 大学一、二年生に向けた大人数の授業では、私が医療現場や貧困地区の子育て支援の現場で行ってきたインタビューを題材として用いることが多い。そうしたとき、学生から次のような質問を受けることがある。 「先生の言っていることに客観的な妥当性はあるのですか?」 私の研究は、困窮した当事者や彼らをサポートする支援者の語りを一人ずつ細かく分析するものであり、数値による証拠づけがない。そのため学生が客観性に欠けると感じるのは自然なことだ。一方で、学生と接していると、客観性と数値をそんなに信用して大丈夫なのだろうかと思うことがある。「客観性」「数値的なエビデンス」は、現代の社会では真理とみなされているが、客観的なデータでなかったとしても意味がある事象はあるはずだ。 数値に過大な価値

    「それって個人の感想ですよね」「数字で示して下さい」…この考え方のどこが問題?―『客観性の落とし穴』|じんぶん堂
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
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    imakita_corp 2023/07/14
    原作本に対してはお題拝借に留まるのか?原作をきちんと読んでないので最近はキンコン西野のアニメとごっちゃになってプペル君がなんちゃらの児童向け文学と脳内の棚に収まっている。以前はコペン君
  • 差別や偏見を含んだ古典、新訳やリメイクが与える新たな視点 鴻巣友季子の文学潮流(第3回)|好書好日

    先日、演劇界のアカデミー賞と言われるトニー賞が発表されたが、ミュージカル作品賞に禁酒時代のシカゴを舞台にした「お熱いのがお好き」が候補入りしていて驚いた。あのマリリン・モンロー演じる白人の、ブロンドの、美女の、セックス・シンボルが旋風を巻き起こしたコメディ映画(1959年、ビリー・ワイルダー監督)の舞台化。しかもギャングに追われた主役のバンドマン2人が女装して女性だけの楽団に入団する。いろいろな意味で差別と偏見(とみなされうるもの)の地雷原みたいな内容なのである。 まだ観劇できていないが、当世のブロードウェイらしいリメイクに仕上がっているようだ。モンローの演じたシュガーには黒人の女優が、バンドマンのジェリーにはノンバイナリーの俳優が配され、同性婚の描き方を含め、ジェンダーとセクシュアリティの揺らぎが表現されているらしい。 いまアメリカを真っ二つにしている論点というと、ジェンダーや妊娠中絶を

    差別や偏見を含んだ古典、新訳やリメイクが与える新たな視点 鴻巣友季子の文学潮流(第3回)|好書好日
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    imakita_corp 2023/06/29
    アラバマを原文で読んだが案外サクサク、映画のお陰で画像検索で理解が進み多読にお薦め。前半は事情のある同級生やBooにさえノスタルジー。後半内容はしんどいし白人救世主批判も分かるが実写はGペックだし許容範囲
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
    imakita_corp
    imakita_corp 2023/05/29
    hunchbackだとしたら今の時流的にはエラい過激な題名だな
  • 優生保護法とは何か――荒井裕樹『障害者差別を問いなおす』|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 事件があった「津久井やまゆり園」に警察・消防車両や大勢の報道陣が集まった=2016年7月26日、相模原市緑区(朝日新聞社) 書籍情報はこちら 2018年から19年にかけて、世間から忘れられかけていた一つの法律がメディアを賑わせました。優生保護法です。 この法律は1948年に制定され、1996年まで存在し、現在は母体保護法という法律に改定されています。この優生保護法とは、どのような問題をはらんでいたのでしょうか。まずはその点を確認しましょう。 長年、同法の問題を指摘し続けてきた団体「SOSHIREN 女(わたし)のからだから」のホームページには、次のような説明があります。 優生保護法、、、、、は、2つの目的をもった法律でした。一つは「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」 ―― 病気や障害をもつ子どもが生まれてこないようにする、という意味。もう一つは「母性の生命健康を保

    優生保護法とは何か――荒井裕樹『障害者差別を問いなおす』|じんぶん堂
  • なぜ人は「陰謀論」にハマり、なぜ問題となるのか? 最新研究から考える|じんぶん堂

    記事:作品社 トランプ大統領の選挙集会の会場周辺で掲げられていたQアノンの旗=米ペンシルベニア州ミドルタウン(朝日新聞社) 書籍情報はこちら 「陰謀論」は、何が問題? SNSなどを利用していれば、悪魔崇拝者による秘密結社が世界を裏で支配しているという主張や、新型コロナは存在しないとの主張を目にしたことは一度や二度はあるだろう。これらの主張はネット上の主張だけにとどまらず、実際にアメリカでは国会議事堂を占拠し、また日ではワクチン接種会場で接種の妨害を行う団体が現れるなど現実世界に影響を及ぼし、また過激化している。 これらは陰謀論と呼ばれ、最近ではネット上で頻繁に目にするようになった。 はたしてこれらの陰謀論をどのように受け止めればよいのか? そもそも陰謀論をすべて否定すべきものなのか? そして陰謀論を信じ、主張する人々とはどのような思考をもっているのだろうか? 今年春に刊行された、ジョゼフ

    なぜ人は「陰謀論」にハマり、なぜ問題となるのか? 最新研究から考える|じんぶん堂
  • 千葉雅也さん×綿野恵太さん『「差別はいけない」とみんな言うけれど。』刊行記念対談 【前編】アイデンティティとシティズンシップ|じんぶん堂

    記事:平凡社 書籍情報はこちら 差別を受けた当事者でない者が、差別を非難する時代へ――。綿野恵太氏は、現在生じている差別批判のロジックの変化、そのポイントは、「アイデンティティ・ポリティクスからシティズンシップへ」である、という。この認識は、どんな事象・言論・事件・出来事に見出すことができるだろうか。この変化を認識するとどんな効用があるだろうか。シティズンシップの時代が抱える対立や葛藤、そして困難を検証する。 アイデンティティ・ポリティクスとシティズンシップの見取り図 千葉:綿野さんが、『「差別はいけない」とみんないうけれど。』というを出されました。このが、僕が柴田英里さんや二村ヒトシさんと一緒に出した『欲望会議──「超」ポリコレ宣言』とも関わるテーマを扱っているので、今日は綿野さんの提示された問題について展開してみたいと思っています。 綿野:書でも触れていますが、執筆のきっかけを説

    千葉雅也さん×綿野恵太さん『「差別はいけない」とみんな言うけれど。』刊行記念対談 【前編】アイデンティティとシティズンシップ|じんぶん堂
  • 「独学大全」読書猿さんインタビュー 学ぶとは、生い立ちや境遇から自由になる最後の砦|好書好日

    文:篠原諄也 絵:塩川いづみ 読書猿(どくしょ・ざる) ブログ「読書猿 Classic: between/beyond readers」主宰。1997年からメルマガを始め、2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシャ時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知を「独学者の道具箱」「語学の道具箱」「探しものの道具箱」などのカテゴリーにまとめ、独自の視点で紹介。著書に『アイデア大全』『問題解決大全』(共にフォレスト出版)。「大全」のタイトルは、トマス・アクィナスの『神学大全』(Summa Theologiae)のように、当該分野の知識全体を注釈し、総合的に組織した上で、初学者が学ぶことができる書物となることを願ってつけたという。 何度も失敗してつまずいた蓄積 ――正体不明で博覧強記の読書猿さんですが、一体何者なのでしょう? 一応、

    「独学大全」読書猿さんインタビュー 学ぶとは、生い立ちや境遇から自由になる最後の砦|好書好日
  • 農業を守ろうとした農学が、満蒙開拓へと日本を突き動かした 藤原辰史さんが歴史を検証|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 藤原辰史さん。京都大学の研究室で 書籍情報はこちら 農主義が日の近代化を性格付けた ――『農の原理の史的研究』を1月末に出版されました。明治から昭和にかけて農学者たちを論じた内容ですが、キーワードである「農主義」とはどんな考え方なのでしょうか? 農主義という言葉をつくった日の農学者、横井時敬(ときよし)には、資主義化で工業が産業の中心になりつつある中で、日の農業を守っていこうという意識は強くあった。けれど、単に農業を守れといったのではなく、農の原理を抽出した上で、その原理のもとに農業の利益を守っていく。農業が国の中心にあり、それが潰れれば国が潰れるという切迫感が農主義の背景にありました。 戦争直後に農主義という言葉が有名になったのは、日戦争を招いた、日を軍国主義に走らせた大きな原因が農主義だったと指摘した丸山眞男の研究のおかげです。日の近

    農業を守ろうとした農学が、満蒙開拓へと日本を突き動かした 藤原辰史さんが歴史を検証|じんぶん堂
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    imakita_corp 2021/03/16
    >>日本を軍国主義に走らせた大きな原因が農本主義だったと指摘した丸山眞男の研究 / 多田朋孔さんの『奇跡の集落』(農山漁村文化協会)。著者は京都大学の応援団長だった人
  • 「リベラルとは何か」書評 「自由と再分配」の危機と可能性|好書好日

    リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日まで (中公新書) 著者:田中拓道 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット リベラルとは何か [著]田中拓道 リベラルという言葉の使い方は実に難しい。もともと多義的なことに加え、現在ではしばしば(あるいはほとんどの場合)否定的な含意を込めて使われるからだ。日では1990年代半ばの政治改革期に、それまでの革新という言葉に代わり、突如として用いられ始めた。リベラルを掲げる政治勢力に属する政治家が、「ところでリベラルって何だ」と聞いたという笑えない逸話も残っている。 書の最大のメリットは、この言葉を明確に絞り込んで使っている点である。例えば欄でも取り上げられたヘレナ・ローゼンブラットの『リベラリズム 失われた歴史と現在』が、古代ローマ以来の射程でこの概念を捉えるのに対し、書の基軸となるのは20世紀に生まれた現代リベラルであ

    「リベラルとは何か」書評 「自由と再分配」の危機と可能性|好書好日
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    imakita_corp 2021/02/14
    日本の場合はソ連崩壊前後から革新の言い換え語として使われ始めそのまま今に至り曖昧故に前期民主党も誕生できた(左右ごった煮)わけだからリベラルとはなんぞやをやると日本ではリベラル崩壊になりやしないかとも
  • 故・白川静さんの遺稿をもとに字書『漢字の体系』を編集 1字ずつ確認する膨大な作業が結実|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 職場の机に向かう竹内涼子さん 書籍情報はこちら ルーペと小型キーボード 多くの出版社や書店が集まる東京・神田神保町のビルに平凡社はある。 編集者たちの机は、どれも多くの資料やが山積みされている。 その中のひとつ、竹内さんの机には、ルーペが置いてあった。物の上にのせて拡大して見るタイプのものだ。雑誌編集では写真の確認などに使うことが多い。 「漢字の字体が正しいかどうか、ゲラの確認に使うんです」 ゲラの確認に使うルーペ さらに机の奥には、パソコンのモニターとは不釣り合いな、小さなキーボードも見えた。幅22センチほど。電卓と見間違えそうなサイズだ。 「ゲラを広げる時に邪魔にならないよう小さなキーボードを使っています。これでもちゃんと打てますよ」 平凡社で「白川編集部」と叢書「平凡社ライブラリー」の編集長を務める竹内さん。入社して約30年になる。 高名な学者の担当に 竹内

    故・白川静さんの遺稿をもとに字書『漢字の体系』を編集 1字ずつ確認する膨大な作業が結実|じんぶん堂
  • 差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 森山至貴(もりやま・のりたか)社会学者 1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)。 世の中の「ずるい言葉」はどこか差別に通じている ――森山さんは大学で学生さんに「自分が言われてモヤモヤした言葉」をヒアリングしたそうですね。特にどのような基準で選びましたか? 読者にとっての取っ掛かりが多いにしたかったので、特定の学問分野やジャンルの話だけにならないよう心がけました。女性差別やセクシュアルマイノリティ差別の事例だけでなく、血液型、障害者、ひとり親家庭などの話題も取り上げています。 ただ、どんな話題を選んでもやはりどこかで差別

    差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日
  • 千葉雅也さん×綿野恵太さん『「差別はいけない」とみんな言うけれど。』刊行記念対談 【後編】シティズンシップが変える社会|じんぶん堂

    記事:平凡社 書籍情報はこちら 差別を受けた当事者でない者が、差別を非難する時代へ――。綿野恵太氏は、現在生じている差別批判のロジックの変化、そのポイントは、「アイデンティティ・ポリティクスからシティズンシップへ」である、という。この認識は、どんな事象・言論・事件・出来事に見出すことができるだろうか。この変化を認識するとどんな効用があるだろうか。シティズンシップの時代が抱える対立や葛藤、そして困難を検証する。 対談後編では、シティズンシップのロジックと、監視国家・管理国家の進展や、進化心理学的な見方の台頭がどんな関係にあるか、などが論じられます。 ≪前編≫はこちらより 左右両方に共通する管理社会化 千葉:最近、「普通に人が生きるとはこういうことだ」という規範性がすごく前面に出てきているように思うんですね。 例えば、結婚もそうだし、性的に刺激的なものをあまり目にしたくない、とか。まあとにかく

    千葉雅也さん×綿野恵太さん『「差別はいけない」とみんな言うけれど。』刊行記念対談 【後編】シティズンシップが変える社会|じんぶん堂
  • 「近現代日本の民間精神療法」 国境越えねつ造された起源を暴く 朝日新聞書評から|好書好日

    ISBN: 9784336063809 発売⽇: 2019/09/13 サイズ: 22cm/399,15p 近現代日の民間精神療法 不可視(オカルト)なエネルギーの諸相 [編]栗田英彦、塚田穂高、吉永進一 私は学生の頃から、催眠術、西式健康法、野口整体、手かざし、静坐法などをやってきた。医者に行ってもどうにもならない問題があったからだ。一定の効果が感じられる以上、それらの療法を斥ける理由はなかった。それらにどういう「科学的」根拠があるのかわからないが、そのうちわかるだろうと思っていた。まだ、そうなってはいない。ただ、「民間療法」と呼ばれる、これらの療法に関する研究は進んできている。私は以前に『癒しを生きた人々』(1999年)というを読んだことがあるが、書はそれを受け継ぐとともに、もっと格的に考察を広げている。そのことは、巻末の「民間精神療法主要人物および著作ガイド」を見れば明白であ

    「近現代日本の民間精神療法」 国境越えねつ造された起源を暴く 朝日新聞書評から|好書好日
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    imakita_corp 2019/11/18
    柄谷行人
  • 朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日

    1位 『1Q84』(村上春樹、新潮社、2009年) 『1Q84』はBOOK1・2が平成21年、翌年BOOK3が刊行された。夜空に二つの月が浮かぶ「1Q84年」の世界で、10歳で離ればなれになった青豆と天吾が再会するまでの物語。カルト教団も描かれたことで、高い注目を集めた。毎日出版文化賞。21年の年間ベストセラー第1位(日販調べ)で、単行・文庫の累計部数は約860万部。 京都大教授の中西寛さんは「平成時代において最も注目を集めた文芸作品。野茂英雄が野球の世界で行ったように、日語文学の世界性を意識させた」と解説する。コラムニストの堀井憲一郎さんは「平成時代は『村上春樹の時代』でもあった。この書籍に対する期待度と売れ具合は尋常ではなかった。日常生活でふつうの人が小説を話題にできた最後の作品だったかもしれない」と評価した。文筆家の青木奈緒さんも「平成の日の世相を描いた、平成を代表する小説」と

    朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日
  • 三浦瑠麗「シビリアンの戦争」書評 文民統制に恐ろしい問いかけ|好書好日

    ISBN: 9784000258647 発売⽇: 2012/10/01 サイズ: 20cm/258,82p シビリアンの戦争 デモクラシーが攻撃的になるとき [著]三浦瑠麗 書は、ぼくたちが慣れ親しんでいる軍や戦争に関する基的な考え方に大きな疑問をつきつける。従来の発想では、軍人は戦争大好きだとされる。だから平和を愛する文民が彼らの活動を常に監視し、抑えなくてはならない。これが文民統制(シビリアンコントロール)の発想だ。 でも近年の多くの戦争の実態はちがう、と著者は指摘する。軍人たちは、戦闘で真っ先に死傷する立場だ。だから勝算のない無意味な戦争にはきわめて慎重だ。むしろ文民たちのほうが、独裁政権打倒とか対テロとか、その時の勝手な思い込みと勢いで、軍人たちを(民主主義のおかげで!)戦争に引きずり込んでいる、と。文民統制というのは当に有効なのか? 恐ろしいことながら、これが正鵠(せいこく

    三浦瑠麗「シビリアンの戦争」書評 文民統制に恐ろしい問いかけ|好書好日
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2012121300003.html

  • 安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日

    ネットと愛国―在特会の「闇」を追いかけて [著]安田浩一 在日コリアンに差別的なスローガンを浴びせかけ、過激な行動を繰り返す在特会(在日特権を許さない市民の会)。彼らがデモで叫ぶ罵声は、侮蔑の言葉で満ちている。安田はメンバーへの取材を繰り返し、その実像に迫る。 在特会の生みの親は、桜井誠。現在も会長として運動の先頭に立つ。しかし、その来歴や素顔は判然としない。安田は、彼の地元を取材し、その「地味」で「目立たない」青少年期を明らかにする。 無口で物静かな少年は、いかにして冗舌で攻撃的な「ネット右翼のカリスマ」になったのか。桜井は、ネット掲示板韓国北朝鮮を批判し、注目を集める。次第に一部で過激なスタイルが受けはじめると、激烈な口調が加速した。 学歴社会から弾(はじ)かれ、警備員や役所の非正規職員として働いてきた彼は、役所や教育機関に対して攻撃的だ。そして、在日コリアンの「特権」を誇張し、既

    安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日
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    imakita_corp 2012/05/16
    安田浩一は在日!はい論破!(キリッ