町の中心部が大津波にのみ込まれた岩手県大槌(おおつち)町。 避難所で所在が確認されている住民約4600人を除き、町長をはじめ1万人以上の行方がわからないままだ。火災にも見舞われ、何もなくなってしまった町に13日、記者がはいった。 所々から火災の残り火や煙が上がり、町中心部は焦げ臭いにおいに包まれている。中心部にあった図書館やガソリンスタンドなどは跡形もない。背後にある山で火事が起きているが、消防機能は完全にまひしている。大槌川にかかるJR山田線の橋は橋脚を残し、落下した。 港から約1キロにある役場は、2階まで津波が押し寄せた。役場では加藤宏暉町長ら幹部が災害対策会議を開こうとしていた、まさにその時だった。東梅政昭副町長は「町長が高いところに避難するよう指示し、約20人が屋上に上がったところで津波が押し寄せてきた。数十人の職員が行方不明となっている。加藤町長は姿が見えなくなった」と話した。町