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2008年6月6日のブックマーク (1件)

  • 日本の近代詩の夜明けと訳詩傑作選 - 心揺々として戸惑ひ易く

    ■ 日の近代詩の歴史 (新体詩の誕生から現代詩以前の時代) 日に於いて、こんにちの「詩」という言葉は元来、漢詩を意味していた。1882年に官学者の外山正一、矢田部良吉、井上哲次郎が『新体詩抄』を啓蒙の一端として出版したものが、近代詩のはじまりである。こうして「新体詩」とよばれる新しい韻律の試みが盛行しはじめる。 近代的な詩精神と感受性に於いて、小説史上での坪内逍遥の『小説神髄』『当世書生気質』に相当する最初の成果が1889年の北村透谷の『楚因之詩』及び同年の森鷗外ら新声社による訳詩集『於母影』である。しかし、近代小説の生誕を明確に告知した二葉亭四迷『浮雲』に相当するような近代詩を完全に具現する作品の誕生までには、1897年の島崎藤村『若菜集』を待たなければならなかった。七五調を中心とする新体詩形式の拘束とそれに対応する古風な詩語とによってのみ、はじめて自由に流露することのできる極めて日

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