東電OL殺人事件をモデルにした小説ですが、事件をなぞるのではなく、事件からはるかに深くそしてまさに「グロテスク」な世界を描いてみた傑作。 桐野夏生は『残虐記』を読んだことがあったのですが、『残虐記』は面白いもののやや図式的な気がしましたが、この『グロテスク』は筆がほとばしっている感じで、とのかく面白い! Amazonの単行本の方に掲載されている著者のインタビューで桐野夏生は「私ね、この世の差別のすべてを書いてやろうと思ったんですね。」と言っていますが、まさに差別とそれを生み出す悪意といったものをとことんまで書いた小説。お嬢様の集まる名門Q女子高に高等部から入った「私」と和恵、天性の美貌を持つ私の妹のユリコ、そして中等部から入って学年トップの成績をキープするミツル。差別と悪意のうずまく学校をサヴァイヴする4人は、やがて壊れていき、ユリコと和恵は夜の娼婦になっていきます。 まあ、この和恵が東電
![桐野夏生『グロテスク』 - 西東京日記 IN はてな](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/08b5705fbb3e2794de91ead8be1966633e4cb255/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51PQ9DG3N8L.jpg)