ダンテの神曲の中でもとりわけ哀れを誘う第5歌の「パオロとフランチェスカ」の逸話。 この逸話は13世紀に実際にあったもので、よく知られているとは思うが、とりあえず紹介する。 ラヴェンナにあるポレンタ家の美しい姫フランチェスカ・ダ・リミニは、父の命令で宿敵マラテタス家との和睦のために同家の長男ジョヴァンニに嫁ぐことになっていた。しかし、醜男のジョヴァンニは、フランチェスカに会って拒絶されることを恐れ、代理として弟のパオロをポレンタ家に派遣した。兄と違ってパオロは美青年であり、フランチェスカに会った瞬間二人は恋に落ちる。 だが、フランチェスカが実際に嫁ぐ相手は兄のジョバンニなのである。事実を知ったフランチェスカの落胆が如何に大きなものであったか、想像するに難くない。 しかし、パオロは兄を裏切ることは出来ず、フランチェスカもまた、一度決めた結婚を取りやめることは出来ないことを自らに言い聞かせる。
『パオロとフランチェスカ』(ウィリアム・ダイス画、1837年) 『パオロとフランチェスカ』アンゼルム・フォイエルバッハ画、1864年) パオロ・マラテスタ(Paolo Malatesta, 1246年 - 1285年)は、リミニの領主マラテスタ・ダ・ヴェルッチョ(イタリア語版)の三男。ダンテ・アリギエーリの『神曲』地獄篇に登場する、フランチェスカ・ダ・ポレンタとの悲恋で広く知られている。兄にジョヴァンニ・マラテスタ(イタリア語版)とマラテスティーノ・マラテスタ(イタリア語版)がいる。 パオロは1269年にギアッジョーロの相続人オラビレ・ベアトリーチェと結婚し、爵位は2人の子ウベルト(イタリア語版)が継承した。常に女性の注目を集める美男だったと描かれるが、パオロはギベリンとの戦いにおいて長く父のそばにいた。1265年、彼はウルビーノ領主グイド・ダ・モンテフェルトロ(イタリア語版)と戦い、ラヴ
ドミニク・アングル『パオロとフランチェスカを発見するジャンチョット』(1819年) オーギュスト・ロダン『接吻』(1888年) - 初期タイトルはFrancesca da Rimini フランチェスカ・ダ・リミニ(Francesca da Rimini, 1255年 - 1285年)は、ラヴェンナ領主グイド・ダ・ポレンタの娘。フランチェスカ・ダ・ポレンタ(Francesca da Polenta)とも呼ばれる。ダンテ・アリギエーリの同時代人であり、ダンテは『神曲』地獄篇に彼女を登場させた。 グイド・ダ・ポレンタは、マラテスタ家との争いを終わらせるため、娘フランチェスカをリミニ領主ジョヴァンニ・マラテスタ(ジャンチョットとも)へ嫁がせることとした。ジョヴァンニは勇猛だが、足が不自由で容姿は醜かった。グイドは、フランチェスカがジョヴァンニを嫌ったことを知り、ジョヴァンニのハンサムな弟パオロ・マ
ダンテの『神曲』のパオロとフランチェスカの悲恋に想を得たこの作品は、初め《愛の誓い》、あるいは《パオロとフランチェスカ》とよばれ、そのシルエットは地獄の門の習作であるテラコッタの中に認められる。けれどもこの男女は官能の業火にさいなまれるのではなく、ロダンは、むしろ清純で熱烈な愛の勝利を謳っている。「恋愛こそ生命の花である」と言っているロダンは、アトリエで若い男女にこの通りのポーズをさせて真実の姿を追求した。(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 136) 来歴 松方幸次郎氏購入; 1944年フランス政府が接収; 1959年フランス政府より寄贈返還. 展覧会歴 1960 松方コレクション名作選抜展, 国立西洋美術館, 1960年5月14日-1960年7月10日, S-4 1962 [巡回展] 国立西洋美術館所蔵 松方コレクション展, 白鶴美術
わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。 No,122 ウィリアム・ダイス、「パオロとフランチェスカ」、19世紀イギリス、写実主義。 これも、西洋絵画でよく描かれるテーマである。難しい悲恋の物語だね。色々な画家が描いているが、これがかわいらしいので選んでみた。 フランチェスカ・ダ・リミニに、ある日ジョヴァンニ・マラテスタとの縁談が起こる。だがジョヴァンニは醜かったため、フランチェスカに嫌われないために、自分のハンサムな弟、パオロを身代りにして向かわせる。フランチェスカとパオロは恋に落ちるが、フランチェスカは結婚までだまされたことに気づかない。 結局、惹かれあう二人は兄ジョヴァンニによって殺されるのである。 誰が一番悪いかと言えば、ジョヴァンニだろうにね、ダンテの神曲では、ふたりは愛欲に溺れた罪で地獄に落ちているのである。
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19世紀フランス新古典主義の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルによる文学主題作品の代表的作例『パオロとフランチェスカ』。1855年のパリ万国博覧会への出品作としても知られている本作は、13世紀イタリアを代表する詩人ダンテ・アリギエーリの傑作≪神曲≫の版画(クーパン・ドゥ・ラ・クープリ)に着床を得て制作された作品で、地獄篇 第5歌に記されるポレタン家の娘フランチェスカと、彼女の嫁ぎ先であるマラテスタ家の義弟パオロがはじめて接吻する場面が描かれている。容姿が醜かったマラテスタ家の息子ジャンチオットに嫁いだフランチェスカは彼の弟であったパオロに心を惹かれ、またパオロもフランチェスカに魅了される中、ふたりで読んだアーサー王物語(湖水のランストッロ)中「王妃グィネヴィアと円卓の騎士ランスロットの接吻」のくだりでパオロとフランチェスカが互いの愛に気づき口づけをするのであるが、本作では義弟パオ
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