「あ、なんだろう」郵便受けに封筒が入ってた。差出人は不明。中を開けると、20万円が入ってた。ちょうど、お金の無かった私は、何も疑うことなくそのお金を使わせてもらうことにした。だって、私宛ての住所で届いてるのだもの。きっと両親が仕送りしてくれたに違いない、うっかり差出人の住所を忘れてしまっただけなのだろう。今度電話でも着たときにお礼でも言おう。まあ、恨みの気持ちというのは、なかなか消えないが感謝の気持ちなんてのは豊かな生活が一瞬で忘れさせてくれる。とうぜん私は翌日にはそんなことを忘れていた。 丁度一週間くらいたった頃だろうか、両親から電話がかかってきた。こちらの様子を聞くとか差しさわりのない内容だった。しかし、父と母がかわるがわる私の声を聞こうと電話を取り合うのを見て、あいかわらずでなんだかおもはゆい。やはり、我が子の声を聞きたくなる時というのが。あるのだろう。そこで先日の封筒のことを思い出