川崎良孝, 安里のり子, 高鍬裕樹『図書館員と知的自由:管轄領域、方針、事件、歴史』京都図書館情報研究会, 2011. 専門家向け。米国の図書館における「知的自由」関連のトラブルについて、米国図書館協会(ALA)がどう対処してきたかを論じる内容である。そこでのトラブルとは、図書館が扱う資料または資料選択に対する政治的圧力、さらにはそこから派生する図書館員の雇用保障といった問題である。ALAが、こうした問題に対し、どのような仕組みを作り、また個別の事件に対応してきたのかを詳しく解説している。 ほとんどのケースでは、発端は図書館での資料やサービスの適性であるものの、最終的には当事者である図書館員の雇用問題につながっている。「白いウサギと黒いウサギが結婚する絵本は人種融和的だ」という理由で排撃される南部の図書館員や、中には味方がいないまま村八分をうける図書館員など、身につまされる事例もある。ほぼ
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