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ブックマーク / www.yomiuri.co.jp (20)

  • 『勉強の哲学』 千葉雅也著 評・伊藤亜紗(美学者・東京工業大准教授) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    今のノリを脱して変身 かくも大胆かつ明晰(めいせき)、それでいてやわらかく信念のこもった思考はまるでダンスだ。一瞬、哲学書らしからぬ「改行の多用」と「ゴシックによる強調」にとまどう。しかし実にリズミカルに言葉が、読む者の心にインストールされていくのだ。「粘り強さ」だけが思考じゃない。 勉強論の形を借りた変身論である。なぜ「勉強」が「変身」なのか。勉強とは「あるノリから別のノリへ引っ越すこと」だと著者は言う。人は、会社なり学校なりの特定の環境において、その環境のお約束にしたがって、つまり「ノって」生きている。勉強とは、そこから抜け出して別の発想や別の振る舞い方、つまり別のノリを獲得することだ。新しいノリを知ってしまったら、もうかつてのノリには戻れない。つまり勉強には自己破壊がつきものなのだ。だからそれは「成長」ではない。「変身」なのだ。 しかし現状を俯瞰(ふかん)せよというメタ的・批判的な姿

    『勉強の哲学』 千葉雅也著 評・伊藤亜紗(美学者・東京工業大准教授) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
  • 教育勅語 道徳教材としてふさわしいか : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    政府は「教育勅語を我が国の教育の唯一の根とするような指導を行うことは不適切だ」とする答弁書を閣議決定した。民進党議員の質問主意書に答えた。政府がこれまでに表明していた見解に沿っている。 答弁書は、教育勅語を「憲法や教育法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されない」とも言及した。 実際、高校の日史や公民の教科書には、教育勅語の全文や抜粋を掲載しているものもある。日の大きな転換期だった明治から昭和期にかけての歴史を学ぶ教材として、教育勅語を用いることは、何ら問題がないだろう。 ただし、道徳などで教育勅語を規範とするような指導をすることは、厳に慎まねばならない。 明治天皇が1890年に、君主に奉仕する「臣民」への教えとして示したのが教育勅語だ。 「皇祖皇宗」以来、連綿と続いてきた「国体の精華」の維持を教育の根源とした。危急の大事には、皇室・国家のために尽くすことを、天

    教育勅語 道徳教材としてふさわしいか : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
  • 英語で読めばわかるボブ・ディランが愛される理由 : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/4

    賞を受け取ると言っただけで騒ぎになった。今度は12月10日の授賞式に出るのか出ないのかで関係者をやきもきさせている。今年のノーベル文学賞に決まったミュージシャンのボブ・ディランのことである。受賞理由として、スウェーデン・アカデミーが述べたような「ホメロスやサッフォーにも比する<現代の吟遊詩人>」という評価はどこから来るのか。その答えは、彼の歌詞を英語で味わうことで浮かび上がってくるかもしれない。東京学芸大学の小澤英実准教授に寄稿してもらった。 変貌を続けるボブ・ディラン ボブ・ディランは公民権運動、冷戦、ベトナム戦争などで緊迫した社会情勢にあった1960年代初頭の米国で、「風に吹かれて」(Blowin’ In The Wind)や「戦争の親玉」(Masters of War)といったプロテスト・ソングを歌い、一躍、「われらの世代の代弁者」「アメリカの良心」として聴衆に熱く迎え入れられた。

    英語で読めばわかるボブ・ディランが愛される理由 : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/4
  • 視聴率1桁でも看板 「サザエさん」はどこへ行く? : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/4

    放送開始から今年で48年目となる長寿番組「サザエさん」。ところが、その人気ぶりに異変が起きている。フジテレビの看板番組として、最盛期には40%近くあった視聴率が、今年5月、7月と2度も1桁台を記録してしまった。「アニメの設定が時代に合わない」などの批判も出ているが、SNSでは番組内容や視聴率の動向も含めて注目度は依然高い。「サザエさん」の今後はどうなるのか、アニメ評論家の藤津亮太さんが分析する。 2016年7月3日、アニメ『サザエさん』が、関東地区の番組平均世帯視聴率9.9%と2桁割れを記録した。5月22日の7.7%に続いての1桁台だが、5月は裏番組が「笑点 歌丸ラスト大喜利スペシャル」(視聴率27.1%)で、数字が持っていかれるだけの理由があった。ところが7月3日には有力な対抗馬がない。 この異例の数字に、いよいよ『サザエさん』が視聴者と乖離(かいり)を始めたのではないかという観測も出始

    視聴率1桁でも看板 「サザエさん」はどこへ行く? : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/4
  • 『闇市』 マイク・モラスキー編 評・松井彰彦(経済学者・東京大教授) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    過酷で自由な世界 大阪市の北浜で育った父から買い出しの話をぽつぽつと聞いたことがある。 父の集団疎開中に空襲で家を失った一家は、戦後兵庫県尼崎市に移り住み、子供だった父も買い出し隊の一翼を担ったという。疎開の辛(つら)さのせいか、父の話からは解放感が伝わってきた。そして、「○○横丁」のような雑多な場所を思い浮かべた。 書を読んで闇市の奥深さに驚いた。闇市は場所としての市場〈イチバ〉のみならず、より広い社会経済制度としての市場〈シジョウ〉だ。書はそのような闇市の広がりに着目して選ばれた11編から成るアンソロジーである。将棋や落語が好きだという編者の解説も一つの闇市考として興味深い。 何よりも選ばれた一編一編が時代を経てなお色褪(あ)せることなく眼前に迫る。まずのめり込んだのが、鄭承博(チョンスンバク)「裸の捕虜」だ。朝鮮人の主人公が〈イチバ〉を超えて遠方に「買い出し」に行く。しかし、その

    『闇市』 マイク・モラスキー編 評・松井彰彦(経済学者・東京大教授) : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
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    irureme 2016/03/29
  • 『指紋と近代』 高野麻子著 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    指紋登録制度を通して「近代」を問い直す試み。産業革命と交通の発達によって自由に移動する 莫大 ( ばくだい ) な労働力が生じ、これをいかに固定化し、管理していくかに近代国家の命運が託されていた。 その意味でも指紋法が英国のインド統治で初めて実用化され、「満洲国」で先進的に実施されていたというのは象徴的だ。「国家」を作ってはみたものの、自由に移動する「国民」の実態がつかめない。管理しようとすればするほど不定型なありようが浮き彫りにされてしまう。そのプロセスは、書の見所でもある。 戦後日の始発期の指紋管理のエキスパートは、実は「満洲国」の当事者たちなのだった。世を騒がせた外国人指紋 押捺 ( おうなつ ) 制度もまた、植民地時代の「国民」管理の残影にほかならなかったのである。 叙述はデジタル化時代の生体認証制度にまで及ぶ。「国民国家」の論理がすでに変質した現在、われわれの前にはあらたな「

    『指紋と近代』 高野麻子著 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
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    irureme 2016/03/23
  • 戦後70年 ここから変わった(3)…国民画家 : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

    「仏教伝来」は現在、所蔵する長野県の佐久市立近代美術館で9月6日まで展示されている(画像は同美術館提供) 1959年、29歳の日画家平山郁夫は肉体的・精神的に追いつめられていた。 15歳の時、故郷の広島で勤労奉仕中に被爆。その後遺症と、創作上の壁や実家の破産危機が重なり、苦悩の日々を送っていた。 「死ぬ前に、一枚でもいいから、心に残る絵を描きたい」。すがるような思いで描いたのが「仏教伝来」だった。天竺(てんじく)(インド)へ経典を求め、砂漠を旅した7世紀の唐の高僧・玄奘(げんじょう)三蔵を思い、僧侶がオアシスの緑に励まされる姿を幻想的な雰囲気で描き、新境地を開いた。 画業の方向性を仏教に見いだした平山は、60年代後半になると、仏教伝来の道筋と東西文明の交易路シルクロードとを重ね合わせて描くようになる。中央アジアを度々訪れ、75年には中国を初めて訪問。その後のシルクロードブームもあって、平

    戦後70年 ここから変わった(3)…国民画家 : カルチャー : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
  • 「ふざけるな」「×」…大阪市長選、無効票続々 : 地方選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    6万票超の無効票のうち、白票は4万5098票、候補者名とは無関係の内容などが書かれた票が2万2408票に上った。 福島区役所では、職員が白票を「白票」と書いたかごに仕分け、次々と積み上げた。「ふざけるな」や、大きく「×」と書かれた無効票もあった。男性職員は「これまでと比べものにならない無効票の多さ」と驚いた。大正区民ホールでも白票は多かったが、「税金は大切に使いましょう」「該当者なし」と書かれた無効票も。淀川区民センターでも、「投票したい人がいません!!」と記した票があった。

    「ふざけるな」「×」…大阪市長選、無効票続々 : 地方選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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    irureme 2014/03/25
  • 『明治演劇史』 渡辺保著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    著者の『江戸演劇史』二巻の読者ならば書刊行を待ちかねただろう。期待を裏切らぬばかりか、前著未読の、演劇に知識のない読者も面白く読める。面白さの理由は大きく三点。 著者は能、文楽、歌舞伎を分けて論じるよりもまずは維新後、共通に直面した問題を取り出す。激動の時代だ。従来のままでは生き残りは難しい。だから危機を救った起業家的資質の人物に光を当てた。時代を見通す目、新しさに向かう度胸、金を集め人を纏(まと)める力を持つ人物たちだ。例えば明治初頭では能の梅若実、文楽の植村大蔵、歌舞伎では十二代目守田勘弥。明治中期ではオッペケペ節で人気を博した川上音二郎であり、新派を興した伊井蓉峰(ようほう)、喜多村緑郎たち。彼らの行動を活写した点が第一。 二点目は芸自体の変貌を論じた。名人と呼ばれた演者たちが、人間の内面を写すリアルさを芸に求めた。なぜなら変化に乏しい江戸時代とは異なり、明治人は自身で考え、悩み、

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    irureme 2013/02/05
  • 編集者・都築響一(上)…スナックに行こう! : 酒都を歩く : 生き方!私流 : 新おとな総研 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    東京のJR中野駅から北へ約400メートル。中野ブロードウェイの東側に、廃虚のような一角がある。かつて33軒の飲店が営業していたが、2000年代半ばから地上げによって次々と移転し、スナックが1軒だけ、11月まで営業していた。 そのスナック「ぱじゃんか」が近くの場所に移転して間もなく、編集者の都築響一(56)と店に行った。リュックを背負った都築と、ピカピカの店に入ると、紫の着物に金色の模様の入った帯を締めたママ、稲垣政子(84)がいた。 「こちらのお店は私の生まれた昭和31年創業なので、僕の年がそのまま営業年月。毎晩お酒呑(の)まれて歌われて、絶対にお休みしないし、むちゃくちゃ元気なママさん」。都築が政子ママを紹介してくれた。 大著「スナック魅酒乱」 雑誌「ポパイ」や「ブルータス」の編集で現代美術や建築、都市生活といったテーマの記事を担当した後、 東京で暮らす人の居住空間を集めた写真集「TO

  • 編集者・都築響一(中)…スナックで歌に浸る : 酒都を歩く : 生き方!私流 : 新おとな総研 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

  • 星新一作品超える?コンピューターで小説創作へ : ニュース : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    「ショートショート」(掌編小説)の草分けだった星新一さん(1926~97)の作品をコンピューターに分析させて、5年以内に同等以上の内容の小説を創作させる研究が始まる。 公立はこだて未来大の松原仁教授と作家の瀬名秀明さんが6日、発表した。人工知能を搭載したコンピューターによる初の格的な小説づくりで、人工知能による作品と分からないように、ペンネームで出版社の文芸コンテストに応募して入選を目指す考えだ。 チェスやクイズでは人工知能が人間の王者を打ち破るほど発展してきた。しかし、芸術や小説などの感性を扱うのは苦手という。 このため、松原教授らは、「ボッコちゃん」など1000編以上の作品を残し、起承転結が明確など分かりやすい構成や文体の星さんの作品に着目。作品中の単語や文章の長さなどをコンピューターに分析させて、星さんの独創性を見いだし、それをもとに400字詰め原稿用紙20枚以内のオリジナル作品を

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    irureme 2012/09/07
  • 『明治二十一年六月三日 鴎外「ベルリン写真」の謎を解く』 山崎光夫著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    明治二十一年六月三日にベルリンの写真館で、十九名の日人を撮った一枚の記念写真が残っている。内の一人は二十六歳の森鴎外。 彼は中列の左端に独りだけ軍服姿で立っている。では他の十八名の男たちは一体誰で、なぜ集まり、共に写されたのか。残念ながら鴎外自身はこの撮影について日記にまったく記していない。 著者はこの謎を二十年かけて解き明かした。 実は全員医学者。日はまだ近代医学の黎明(れいめい)期である。なかには北里柴三郎や石黒忠悳(ただのり)のように知られた人物もいるが、やがて公衆衛生、法医学、眼科、産婦人科、小児科、解剖学を切り拓(ひら)き、その分野の泰斗(たいと)となった者もいる。 では著者は各人物の素性を明らかにしただけか、といえば違う。偶々(たまたま)、一緒に写真に撮られただけで、鴎外とは無縁の生涯を送った者も、鴎外の小説のモデルになった者も、彼とは気の合った者も、後に敵になった者も、鴎

  • 『ブルース・ピープル 白いアメリカ、黒い音楽』 リロイ・ジョーンズ著 : 書評 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    irureme 2012/02/19
  • オリンピック物語 : アテネ五輪 : Yomiuri On-Line (読売新聞)

    オリンピック物語 第七部 五輪と金 五輪商業主義がどう生まれ、変容する時代の中でどんな未来を迎えようとしているのか。最終章の第7部では、「五輪と金」を検証する。(アテネ 結城 和香子) 〈6〉最大の敵 テロと薬物(2004.5.8) 〈5〉“運営虎の巻”売る(2004.5.1) 〈4〉商業主義進み 止まらぬ肥大化(2004.4.28) 〈3〉招致巡り「買収」 衝撃告発(2004.4.24) 〈2〉商標使用権で収入増(2004.4.21) 〈1〉放送権料、収入の半分(2004.4.17) 第六部 ドーピング 〈10〉迫る遺伝子操作の脅威(2004.4.14) 〈9〉不正摘発に“情報戦”(2004.4.3) 〈8〉やっと見つけた検出法(2004.3.31) 〈7〉スキャンダルが対策の牙城生む(2004.3.27) 〈6〉6年たっても変わらぬ意識(2004.3.24) 〈5〉最速男の背信 I

  • 構造主義確立、レヴィ=ストロース氏死去 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    100歳だった。AFP通信が3日、出版社からの情報として伝えた。 レヴィ=ストロース氏は、ブラジルでの人類学調査などを通じて、構造主義の手法を確立、サルトルの実存主義を批判した。 コレージュ・ド・フランス名誉教授。フランス学界最高権威のアカデミー・フランセーズ正会員。著書に「悲しき熱帯」「構造人類学」「野生の思考」「神話論」などがある。

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    irureme 2009/11/04
  • 読売文学賞の人(1) 小説賞「犬身(けんしん)」 松浦理英子さん 49 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    第59回読売文学賞に、6部門6人が決まった。受賞者の喜びの声と横顔を紹介する。 受賞決定の一報に、電話口でしばらく絶句した。 「文学賞には縁がないと思っていましたから。大学生のころ『読売文学賞』の帯を見て蓮實重彦さんの『反=日語論』に出合いました。その意味でも、当に光栄です」 受賞作は2004年4月から昨年6月まで3年余、会員制のウェブ・サイトに連載された。ウェブ小説がこの賞を受けるのは史上初めて。文芸誌の場合、「読者は業界中心で、堅苦しい感じがある」。その点ウェブ上なら「思い切ったことができる」。期待に違(たが)わず物語は、これまで以上に自由に広がった。 着想の発端は、大原まり子、岬兄悟夫が編んだアンソロジー「SFバカ」。自分ならどんなバカな話を書くだろうと空想したのが「人間が犬に変身する話」だった。 地方都市でタウン誌の編集を手伝う30歳の女性が、取材で知った陶芸家の女性に思い

  • 企画・連載 : 沖縄 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

  • ノーベル文学賞、仏のル・クレジオ氏に : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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    irureme 2008/10/10
  • コバルト文庫30年 : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    ティーンズが育てた2億5900万部 ティーンエージャー向け文庫の草分け、コバルト文庫(集英社)が創刊30周年を迎える。刊行点数は3400タイトル、発行部数は累計2億5900万部超。人気作家を輩出し、多くの女性読者に影響を与えたとして、文学史の中で評価する動きも出ている。 1976年5月に創刊。当初は、同社の雑誌「小説ジュニア」で執筆していた富島健夫ら既存作家による“ジュニア小説”が多かったが、次第に、若い女性作家たちが等身大の女の子の世界を話しコトバで描く表現媒体に。 先べんをつけたのは、女子校の寄宿舎生活を活写した氷室冴子『クララ白書』(80年)、高校生デビューした新井素子のライトSF『星へ行く船』(81年)とされる。82年に雑誌「Cobalt」が創刊され、翌年から〈ジャンル不問〉で新人公募を開始。文庫オリジナル作品によるラインアップどころか、若者向け文庫そのものが珍しかった。 このコバ

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