昨今ではステップアップのために会社を辞め、起業や転職を勧める提言も少なくないが、転職したことを心から後悔する人もいる。数年前に大手メーカーを辞めたことを、今になって「失敗だった」と振り返るのは、30代後半の男性会社員・A氏だ。 A氏は新卒で入った大手メーカーで宣伝部に配属されていたが、32歳の時、年上の知人がベンチャー企業を立ち上げ、「宣伝・広報部長として入ってもらえないか」とオファーを受けた。そこで、将来的には上場を目指していると説明され、「ストックオプション」(自社株を一定の行使価格で購入できる権利)」などの魅惑的な言葉も出てきた。