松江市の中海にある大根(だいこん)島の岸近くに、30年以上前から放置されてきた3隻の廃船が、観光客の人気を集めている。半ば横倒しになって、風雪にさらされた板材が独特の味わいを醸している。 放置され荒れ果てた建物などを愛好する「廃虚ブーム」もあって、「朽ちゆく姿が美しい」と遠方から写真撮影に来る人も多い。 いずれも全長約20メートル、幅約4メートルの木造漁船で、岸から約10メートルにある。地元の人によると、2000年に中止された中海干拓事業にからみ、波よけに置いた漁船がそのままになったらしい。 数年前から、ブログなどに写真を掲載する人が増え、雑誌にも紹介された。今年8月には、道路工事に伴い1隻を撤去するとの告知看板を島根県が立てたところ、「最後に見ておきたい」などと話題になり、大勢のアマチュアカメラマンが訪れた。 撮影に訪れた兵庫県伊丹市の会社員、浦田敦志さん(45)は「郷愁めいた気持ちを覚