2014年のノーベル物理学賞を受賞した米University of California Santa Barbara校(UCSB) 教授の中村修二氏が、現在の心中を語った。青色LEDを実用化した経緯や現在の研究テーマを始め、同氏らが立ち上げたベンチャー企業、その経験から感じた日本と米国のベンチャー企業を取り巻く環境の違いなど、話題は多岐に渡った。本稿では、中村氏が語った現在の研究テーマを中心に、その概要を掲載する。インタビューの詳細については、日経エレクトロニクスや日経ビジネス、日経テクノロジーオンラインなどで順次掲載する予定である(取材班)。 LEDの性能向上にはどうしても限界があります。その代表が、「ドループ現象」。電流密度を高めると、発光効率が下がってしまう現象です。物性に由来するものなので、解決が非常に難しい。半導体レーザーであればドループ現象がありません。しかも一度発振してしまえ