「今生では、母との再会は果たせないでしょう。数年前、中国政府が、知識人や外国と接点のあるウイグル人を拘束し始めたとき、私と両親は『さよなら』を言い交わしました」 ネット上に流れてきた映像の中で、こう話していたのは在米ウイグル人の友人、ヌリー・ターケル氏だ。23日、米国連邦議会下院が開催した「中国特別委員会」公聴会での一コマである。 90年代に米国へ留学後、弁護士となったターケル氏は現在、「米国際宗教自由委員会(USCIRF)」の議長を務めている。おそらく、ウイグル系初の米国の高位公職者であろう。 世界一の大国で、苦学の末に成功し、人権派弁護士として多くの人を助けてきた彼が、自身の母を助け出せない苦悩を語っている。日頃の朗らかさからは想像もつかない硬い表情で話す友人を見るのは辛かった。 しかし、こうした悲劇はターケル家だけの話ではない。日本を含む外国に住むほぼすべてのウイグル人が同じく、家族