従来の人間関係や環境を越え、普段の職場とは違う場所で新しい経験を積むことで成長し、イノベーション創出に寄与する――。この特集では、職場における、こうしたさまざまな「越境」に注目し、新しい体験から得た知見を仕事に生かす事例を取り上げます。3本目は本業とは別の業務に関わる「副業」について。人材流出につながるのではという懸念とは逆に成果を上げる2社を取材しました。 最初に訪れたのはキリンホールディングス。社員の副業や社内起業を応援することでどんな成果が上がっているのか、人財戦略部 企画・組織開発担当の秋葉美樹さんに話を聞いた。 日経xwoman編集部(以下、略) キリンホールディングスでは副業を認めているそうですね。その狙いは何ですか? 秋葉美樹さん(以下、秋葉) はい、2020年7月から副業可能になり、外部からの「副業人財」も受け入れています。 もともと組織の多様性を高めるための施策の1つとし