従来、広告は、「伝えたいことをいかに効果的に伝えるか」という視点で、さまざまに考えられ、つくられてきた。 例えば、「死に至ることもある鉄道施設での歩きスマホをやめよう」といった深刻な話題であれば、それに相応しい表現がまず脳裏に浮かぶ。悲しい情景をビジュアルで描いたり、「近親者が悲しむぞ」という気持ちを揺さぶるコピーを開発したり、そういった意味での「共感」を得ることをめざすのが普通であった。 しかし、いまや、多くの場合、まずは「楽しませる」ことから始めるのが、スタンダードとなっている。「伝えたいことを伝える」のは最後の最後でいい。全体の印象として楽しくないと見てもらえないし、共有してもらえない。 かつてのマス広告主体の時代から、ウェブ動画などが主体になるにつれて、人々に能動的に「見に来て」もらわなければならなくなったのだ。 楽しい歌に乗せ「馬鹿げた死に方」を描く その見に来てもらう広告の例証