「沖縄のシンボル」である首里城の正殿などの焼失に関係者は言葉を失った。 太平洋戦争末期の沖縄戦(1945年)で灰燼(かいじん)に帰した首里城。89年から始まった復元に関わった高良倉吉(たからくらよし)・琉球大名誉教授(72)は31日午前4時ごろ、共に復元に取り組んだメンバーからの電話で出火を知った。那覇市の自宅から見える赤々と燃え上がる炎を「信じられない」とぼうぜんと見つめた。 沖縄戦で多くの資料が失われた中、関係者が調査や研究を重ねて、正殿復元では建物内部の構造も琉球王国時代を忠実に再現。「完全木造で琉球王国で使用された往時にかなり近づけた」と自負する。北殿は資料散逸で内部まで再現できなかったが、沖縄の歴史に触れられる資料館として「他県にはない沖縄の歴史的象徴」をよみがえらせた。