2020年1月19日、日米安全保障条約は、改定から60年を迎えた。2019年末には自衛隊の中東派遣が閣議決定され、年明けからはアメリカとイランとの緊張関係が続いている。安保改定60年を経た今、これからの日米同盟はどうあるべきか、ジャーナリストの布施祐仁さんに寄稿していただいた。 河野太郎防衛大臣(右)とアメリカのマーク・エスパー国防長官(左)。2020年1月14日、日米防衛相会談にて。 中東への自衛隊派遣をめぐり、衆参両院で1月17日、閉会中審査が行われた。この問題に関して国会で実質的な審議が行われたのは、これが初めてである。派遣の理由や目的を日本政府がどのように説明するのか注目していたが、説明を聞いてもよく分からなかったというのが正直な感想であった。 今回の派遣が分かりにくいのは、中東における日本関係船舶の安全確保のための派遣だと言いながら、直接日本関係船舶を護衛することはせず、「情報収