国宝 《三十六人家集》のうち「重之集」 平安時代 12世紀、京都・本願寺蔵、11月12日~24日展示(※ただし、頁替があります) 「料」とは「器具、衣服、飲食物など、何かの用にあてる物。ある物事に使用する物」のこと(小学館『日本国語大辞典』JapanKnowledge版)。それが「料紙」となれば、文字を認(したた) めたり、絵を描いたりするために用いる紙一般を示す。現在ならば「用紙」と同じことだ。 そもそもの始まりは、やはり中国だ。中国では後漢の時代に紙が染められるようになり、日本へもまずこのような染紙(そめがみ)がもたらされた。また文字や絵を描きやすくするため、その表面を石や猪牙などで磨く「砑光」、紙に粘液で湿りを与え、木槌(きづち)で叩いて打ち締める「打紙」などの加工も行われるようになった。正倉院文書には膨大な染紙の名称が記され、その中には既に、箔や砂子を撒いたものも見受けられる。 奈
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