2024年4月1日に、慶應義塾の名誉教授である倉田敬子氏が国立国会図書館長に就任した。スマホやインターネットが普及し、簡単に手に入れることができる情報が溢れる中、本を読む人は年々少なくなってきていると言われている。そんな時代において館長に就任された倉田氏に、就任の経緯とともに、館長としての抱負や塾生に向けたメッセージを伺った。 インタビューを受ける倉田館長 ―国会図書館長に就任された経緯を教えてください。 国会の事務局の方から突然メールがありました。私は、国立国会図書館の科学技術情報整備審議会の委員を14年ほどやっていたので、私のことを全く知らないで選んだわけではないとは思いますが、どのような経緯で選ばれたのかは私もわかりません。慶應は日本における図書館情報学研究のパイオニアで、歴史や実績もあり、図書館情報学の研究者が多く在籍する教育機関として有名ですが、これまで図書館情報学の研究者が国立