八王子市図書館(東京都)は15日から同市中央図書館(千人町)で、都立中央図書館(港区)から一括して引き取っていた多摩地域の郷土資料のうち、7割ほどに当たる約1万7000点を一般公開する。 公開される資料は元々、都立青梅図書館や都立多摩図書館に収蔵されていた。都立図書館の再編に伴い2008年に都立中央図書館へ移されたものの、重複を理由に処分対象となったもので、多摩地域の図書館やNPOが一括保存を求めていた。 八王子市が10年に受け入れを表明し、散逸を回避することができた。資料は行政の刊行物や歴史、自然に関する図書など玉石混交の状態。既に所蔵していたものも少なくなかったが、1934年の「八王子織物史」(千勝義重著)や61年の「多摩奇人伝1」(橋本義夫著)など、初めて入手できた貴重な資料もあった。 市は受け入れにあたり、書庫の図書を移動させるなどして約2万4500点分のスペースを確保した。