研究機関のデータの利活用に向けたデータ保護法制の現状と課題 パテント 2020 - 108 - Vol. 73 No. 10 特集《第 25 回知的財産権誌上研究発表会》―質疑応答の部― 研究機関のデータの利活用に向けた データ保護法制の現状と課題 - sector-specific 規制から DFFT へ- 会員 栗原 佑介 要 約 本稿は, 「大学や研究機関で生まれるデータとその利活用ルールを巡る動き」の意見論文として,知的財産 としてのデータと,個人データ保護法制に関する現在進行形の政策動向を取り上げ,データ活用の今後の展開 と関与の在り方を,研究機関のデータを例に検討する。 これまでの日本におけるデータ政策が,セクタースペシフィックな規制に基づいていたため,結果的に「個 人情報保護条例 2000 個問題」に象徴される事態となった。 他方で,近年は,官民データ活用推進法に代表されるよ